DAOのリアルをワークショップで分析・考察【btokyo clubラウンドテーブルレポート】
CoinDesk JAPANを運営するN.Avenueが2023年7月より展開している「btokyo club」は、Web3をリサーチする大手企業のビジネスリーダーを中心とした限定有料コミュニティサービス。 11月16日には、新たな組織運営の形態として、地方創生などの文脈でも注目を集めている「DAO(分散型自律組織)」をテーマに5回目の欄ウドテーブルが開催された。特に今回は、ちょうど自民党web3PTが「DAOルールメイクハッカソン」を開催しているタイミングで、btokyo club参加者が著名DAOについて、自分たちで分析・考察を行うワークショップを行った。 会員限定のクローズ開催のため、内容は詳細に紹介できないが、当日の専門家によるプレゼンテーションやワークショップの概要を紹介する。 -Web3コミュニティbtokyo club-※法人向け有料サービス※Webサイトはこちら
【btokyo club 11月ラウンドテーブル&ワークショップ】DAO(分散型自律組織)による持続可能なプロジェクト運営とは?~株式会社とは異なる組織構造と運営手法を学ぶ~
btokyo clubでのワークショップは初の試み。会場のセッティングもいつもとは違い、参加者は5つのグループに分かれて着席した。 最初に、世界中のDAOのユースケースや実態をリサーチしているFracton Ventures共同創業者の鈴木雄大氏がプレゼンテーション。同社の取り組みやDAOの定義を明確化するための要素分解、DAOの“現在”の定義などを紹介した。 さらにDAOのトレジャリー(DAOが運営のために管理している資産)は225億ドル(約3兆3750億円、1ドル150円換算)にのぼると解説。複数のDAOの事例やDAOに関連するデータの調べ方などを紹介した。 ワークショップでは、Gitcoin、ENS、Uniswapなど、鈴木氏が選んだ複数のDAOの中から、各グループがそれぞれ1つを選択して、トレジャリーやDAO内の活動の実態などを分析した。ワークショップは鈴木氏の他、Fracton Venturesのメンバー、さらにbitFlyer Blockchain取締役の金光碧氏がメンターとなり、各テーブルの状況をフォローした。 また途中には、DAOの実社会への活用方法を探るために個人的にDAOのリサーチを続けているという金光氏が、自身も参加した新潟県旧山古志村によるNishikigoi NFTと「山古志DAO」についてプレゼンテーション。山古志DAOが地域にもたらしたものや、山古志DAOの新たな目標、さらには金光氏自身が先行してDAO的な運営を行っている「牛の角突きファンクラブ」の仕組みと問題点を解説した。 DAOの問題点については、web3PTのDAOルールメイクハッカソンでも法人格の問題、銀行口座が開設できない問題などが指摘されているが、金光氏のDAOの現状についてのリアルな指摘な非常に興味深いものだった。 ワークショップの最後には、各グループがそれぞれ分析した内容について発表。予想以上の収益を安定してあげているDAOが存在していることや、提案が活発なDAO、活発ではないDAOがあることなど、DAOの多様な一面を互いの発表で認識する機会となった。