【クイーンビートル】浸水隠蔽工作は運航に関わる全員が把握 JR九州・社長が謝罪 第三者委員会設置へ
RKB毎日放送
JR九州高速船が博多と韓国・釜山を結ぶ「クイーンビートル」の浸水を隠ぺいし、運航を続けていた問題。隠ぺいについて、運航に関わる全員が把握していたことが新たに明らかになりました。親会社のJR九州の古宮社長は22日、陳謝したうえで、運航事業をやめる考えはないと説明しました。 【写真で見る】運航事業をやめる考えはないと説明 JR九州・社長が謝罪 ■浸水隠し運航継続 博多~釜山で JR九州 古宮洋二社長「安全を立て直して信頼回復に努めます。この度は申し訳ありませんでした」 JR九州の古宮社長は22日、定例会見の冒頭、陳謝しました。 クイーンビートルを巡っては、JR九州高速船が今年2月、船首部分に浸水を確認しながら国に報告しませんでした。さらに、航海日誌などには、浸水した場合も「異常なし」と記載する一方、浸水量に関しては裏で管理簿を作成していたほか、警報センサーが鳴らないように位置を上にずらすなどして3か月以上運航を続けていたことが明らかになっています。今年8月6日に国土交通省の抜き打ち監査で、隠蔽が発覚しました。 ■上層部「これくらいの浸水なら問題ない」 古宮社長はJR九州高速船に対するヒアリングで、上層部が「これくらいの浸水なら問題ない」と話していたことや、浸水量の改ざんなどについては運航に関わる全員が把握していたことも明らかにしました。裏管理簿の作成については16人が、警報センサーの位置をずらしたことは21人が知っていたということです。 ■原因究明し安全対策見直し→運航再開へ 前社長が指示した不正行為が組織内で広く共有され、実行されていたJR九州高速船。今後について、JR九州の古宮社長は、外部の専門家からなる第三者委員会の設置を検討し、原因究明と安全対策を見直したうえで運航を再開すると説明。「私にも一定の責任がある。調査の結果をみて考えていきたい」と責任をとる考えを示しました。 ■JR九州・古宮社長会見要旨 JR九州の社長が問題を把握したのは、国土交通省の抜き打ち監査の翌日、8月7日の朝。その時点で浸水していないということだったので、「運航状況は安全」だとして7日は運航した。8日から「安全意識を社内でやりなさい」とJR九州高速船の社長に指示。9日から、社員を派遣して運航の前後に立ち会わせ安全の確保を確認した。
このままでは浸水があったら大変になると思ったので、13日から運休させることを決めた。問題を把握したあとの7日以降も、運航を継続する指示を出したのは、今考えれば間違っていたかもしれない。 グループは安全がなければ利益はないので安全が一番であることは認識している。グループ会社についても言っているつもりである。(安全を軽視して利益を重視しているとは)私は思っていない。 Q船が1隻しかないことがプレッシャーになったのでは? 社員と話したところ、ゼロとはいえない。運航を停止するとキャンセル連絡の負担があったと聞いている。
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