智弁学園、粘り切れず 先頭打者アーチ浴びた西村 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第9日の29日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で準々決勝が行われ、智弁学園(奈良)は明豊(大分)に4―6で敗れ、5年ぶりの準決勝進出はならなかった。智弁学園の先発・西村王雅(おうが)投手(3年)は、先頭打者本塁打を浴びるなど5回5失点だった。 【智弁学園vs明豊の試合を写真特集で】 手痛い「打ち直し」で先制パンチを食らった。明豊の1番・幸にわずかな心の揺れを突かれ、過去13人しか記録していない先頭打者本塁打を浴びた。 試合開始直後、幸への2球目。直球で詰まらせ、ファウルゾーンへ飛球が上がった。しかし落下点に入った一塁手はグラブに当てて落球。「あまり気にしていなかった」というが、フルカウントまで粘られて「四球が一番だめだと思い腕が振れなかった」。7球目、高めに浮いた直球を左翼席へ運ばれた。小坂監督は「流れがつかめないままずるずるといってしまった」と、出はなをくじかれた場面を悔やんだ。 この日は捕手の構えと反対のコースにいく「逆球」が多く、必死に左腕を振ったが「粘り切れなかった」。89球を投げ、5回5失点で降板。「(ここまで)チームのために投球してきたが、全くできなかった」と、反省の言葉が口をついた。 「超えたい」と語る父基治さんは、1990年夏の甲子園で平安(現・龍谷大平安)のエース左腕として全3試合を完投し、チームへ2勝をもたらした。 今大会は1回戦で強豪の大阪桐蔭戦で先発して8回まで力投。勝利に貢献したが、「まだまだ自分の力では勝てない。勝てる投手になりたい」。まだ、父の背中は遠いと感じている。【田中将隆】 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。