【中山記念】クラス問わず「内枠×前」が定石 東大HCが中山芝1800mを徹底検証
中山芝1800mの概要
今週は中山芝1800mを舞台にGⅡ中山記念が行われる。春の中距離王決定戦であるGⅠ大阪杯に向けての重要な前哨戦だ。皐月賞馬のソールオリエンスやジオグリフ、昨年の覇者ヒシイグアス、昨年の毎日王冠を制したエルトンバローズなどが伝統の一戦に臨む。 【中山記念2024 データ分析】3枠より内が特定条件クリアで単勝回収率241%! 脚質別成績などデータで徹底分析(SPAIA) 当該コースが舞台の重賞は4レース。グレード順に、GⅡは中山記念、皐月賞のステップレースであるスプリングS、GⅢはクラブ所属の牝馬などが引退レースに選ぶことも多い中山牝馬S、3歳牝馬限定戦のフラワーCが行われる。2回中山開催に重賞が集中しているこのコースの特徴を過去のデータから分析していこう(使用するデータは2019年2月23日~2024年1月21日)。 まずはコース紹介。スタンド前の直線をスタートしてすぐに上り坂で、1コーナーまでの距離は200m程度と短い。坂の頂上から向正面半ばまで緩やかな坂を下っていく。ほとんど傾斜のない3コーナーから4コーナーを通過したのち、中山名物の、わずか310mしかない直線と高低差2.2mを誇る急坂が最終関門として立ちはだかる。
内枠は逃げ先行、外枠は差し
<中山芝1800m・過去5年の枠別成績> 1枠【20-24-16-178】勝率8.4%/連対率18.5%/複勝率25.2% 2枠【22-12-18-201】勝率8.7%/連対率13.4%/複勝率20.6% 3枠【17-21-32-208】勝率6.1%/連対率13.7%/複勝率25.2% 4枠【24-22-23-222】勝率8.2%/連対率15.8%/複勝率23.7% 5枠【23-25-15-240】勝率7.6%/連対率15.8%/複勝率20.8% 6枠【21-23-26-246】勝率6.6%/連対率13.9%/複勝率22.2% 7枠【23-27-27-255】勝率6.9%/連対率15.1%/複勝率23.2% 8枠【27-23-20-276】勝率7.8%/連対率14.5%/複勝率20.2% 勝率が最も高いのは2枠、複勝率が高いのは1、3枠と内枠有利の傾向が見られる。これは過去5年の重賞成績に限定しても同様。2枠が【4-0-1-24】勝率13.8%、3枠が【2-3-5-24】複勝率29.4%とそれぞれ最も高く、内枠有利の傾向がさらに強くなっている。なお過去5年の重賞における8枠は単勝回収率459%、複勝回収率178%と大幅黒字だが、これはアブレイズ(20年フラワーC・12番人気1着)やクリノプレミアム(22年中山牝馬S・15番人気1着)が引き上げている。 <中山芝1800m・過去5年の脚質別成績> 逃げ【33-24-16-107】勝率18.3%/連対率31.7%/複勝率40.6% 先行【86-89-81-385】勝率13.4%/連対率27.3%/複勝率39.9% 差し【47-54-63-634】勝率5.9%/連対率12.7%/複勝率20.6% 追込【9-7-14-680】勝率1.3%/連対率2.3%/複勝率4.2% マクリ【2-3-3-20】勝率7.1%/連対率17.9%/複勝率28.6% 中山競馬場全体に言えることだが、コース形態上とにかく差しや追い込みが届きにくく、逃げ、先行馬の数値が非常に優秀。終始前で運びつつ最後まで粘りこみを図るタイプの馬を買いたい。どうしても差し馬を買いたい場合は、まくり気味にポジションを確保できるタイプであることが絶対条件だ。 過去5年の重賞成績に限定すると差し馬の成績がやや向上するが、依然として前有利の傾向は継続。狙い目は内枠の逃げ、先行馬だ。1~3枠は逃げ【2-0-1-7】単勝回収率114%、先行【4-3-1-10】同128%とベタ買いするだけでプラス。一方、差し馬の場合は外枠が好調で、6枠以降では、差し【4-6-4-33】同265%とこちらも黒字域をマークしている。また、逆に6枠以降の先行馬は【1-4-3-22】勝率3.3%、1~3枠の差し馬【2-1-5-20】勝率7.1%となっており、重賞では割り引くべきだ。