見栄えだけ綺麗、虚偽演出…オフィスビル投資で選んではいけない「要注意物件」の見分け方【不動産売買のプロが解説】
オフィスビル投資をする際、物件選びはとても重要です。しかし、初めて物件選びをする人は、見た目だけで選んだり、物件情報に潜む落とし穴に気づかず、間違った選択をしてしまう人も少なくありません。ここでは『御社の新しい収益基盤を構築する 区分オフィスビル投資術/著者:青木龍氏』(ビジネス教育出版社)より一部抜粋し、物件を選ぶときの注意点を解説します。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
一見ハイセンスなハイグレードビルを買ってはいけない
「オフィスビル投資」においてもっとも大事なのは物件を見つけることですが、初めての方の場合、どうしても「買ってはいけない物件」に手を出してしまいがちです。そこで、ここではオフィスビルを購入するときの「やってはいけない」をお伝えしていきます。 最初に気をつけたいのは「見栄えだけ綺麗な物件」に手を出さないということです。これはオフィスビル購入の経験がある人でも引っかかりがちなので要注意です。[図表1]の図をご覧ください。 これは私のクライアントに他社の営業から寄せられた物件情報です。クライアントからは「こんな物件を紹介されているのですが、大丈夫そうですか?」と相談がありました。概要は、六本木駅から徒歩1分、8階建ての一棟ビル、築2年、面積62坪、利回り4.5%、価格は10億円です。 あなたならこの物件、買いますか?東京の中心地の1つである六本木の駅から徒歩1分圏内で、しかも築2年。かなり築浅(ほぼ新築)で、利回りが4.5%ですから、つい「長く営業外収益を得られそうな良い物件」だと思うかもしれません。 しかし、この物件にはたくさんの落とし穴があります。まず、坪数が62坪しかありません。これは1フロアではなく総面積です。これで10億円ということは、売買坪単価を割り戻すと坪1,600万円ほどになります。売買単価が坪1,600万円なら、一昔前の銀座SIXが買えるレベルの価格です。 次に、1階の店舗は約5坪で月の家賃が約64万円です。ということは1坪で約14万円。空中階は約11坪で約56万円なので1坪で約5万円です。現実の話をすれば、名のある不動産会社が運営しているようなビルでも、六本木周辺だと坪賃料は3~4万円です。つまり、この物件の坪賃料はとても割高であることがわかります。 他にも、この物件には言いたいことがまだありますが、ここでは割愛します。少なくとも、六本木で築浅……という聞こえのよいい言葉で物件選びをすると失敗する典型例と言えます。 賃貸面積が10坪以下で、このグレードで、今の坪賃料が継続することはまず考えにくいです。事業として計画を組んだときに「売上が下がり続けるビジネス」ということがわかります。 このように、一見して見栄えが綺麗な物件こそ慎重に。安易に手を出すことは控えましょう。
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