長崎市長、式典で核廃絶訴える 「原爆の日」平和宣言の骨子発表
長崎市の鈴木史朗市長は2日、「原爆の日」の9日に開く平和祈念式典で読み上げる平和宣言の骨子を発表した。被爆詩人福田須磨子の詩を用いて被爆の惨状を訴えた上、「核兵器を使ってはならない」という人道上の規範が大きく揺らいでいる現状に危機感を表し、核保有国と「核の傘」の下にいる国に核廃絶に向けかじを切るよう求める。 鈴木市長は記者会見で、ロシアのウクライナ侵攻に触れる一方、6月に示した原案には記していたパレスチナ自治区ガザで戦闘を続けるイスラエルの国名は明示しないと明らかにした。「緊迫度を増す国際情勢への危機感を示す文脈の中で、限定的に国名を列挙するのではなく包括的に記載する」と説明した。 平和宣言は、市長を委員長とし被爆者や識者らでつくる起草委員会で議論した上で、市長が取りまとめていた。 原案には、ロシアやイスラエルの名を挙げ、核使用をためらわない姿勢を示すことに警鐘を鳴らす文言があったが、7月に示した最終案ではイスラエルの国名が削除された。一部の委員からは明記するよう求める声が上がっていた。