[山口県]職員さび落とし作業で鉄粉飛散し車両被害 下関市リサイクルプラザ 近隣の会社などに損害賠償1400万円
昨年11月に下関市古屋町の市リサイクルプラザ管理棟屋上で市職員が手すりのさび落とし作業をしていた際、研磨によって出た鉄粉が飛散して近隣の自動車販売会社などに駐車してあった車両計83台に付着し、車にさびを発生させる被害を起こしていたことが分かった。損害賠償額は計約1400万円に上り、市は被害車両の修繕費用や代車費用などを相手方に支払う方針を決めた。 3日にあった市議会議会運営委員会で関連議案が説明され、明らかになった。市環境部によると、昨年11月2、7両日に同部環境施設課所属の修繕や清掃を担当する職員3人が、同部が入る4階建ての管理棟の屋上(高さ15・4メートル)にある転落防止用の手すりを再塗装するためにさびを落としていたところ、手作業では除去できなかったさびを回転砥石付きの電動工具で削ったのが原因という。 鉄粉は風に乗って、半径約100メートルの範囲に飛散。近隣にある自動車販売会社2社が置いていた展示用の新車や中古車、業務用車両計40台のほか、同プラザ敷地内に駐車してあった市環境部職員と委託業者職員の車両43台に被害が出た。同13日に自動車販売会社から環境部に連絡があり、発覚した。市が加入する保険の財物補償の支払限度額は1事故につき1千万円までで、今回は残りの約400万円分に税金が実際に充てられることになる。 市環境部の吉田誠部長は「被害を受けられた方には大変申し訳なく思っている。今後は作業の内容や状況を適切に把握しながら対応していく」と話した。