ロ軍高官がロイター取材班を標的、8月ミサイル攻撃巡りウクライナ保安庁
[22日 ロイター] - ウクライナ保安庁(SBU)は、8月に東部ドネツク州のホテルへのミサイル攻撃を指示したとみられるロシア軍幹部を特定し、「ロイター社員を故意に殺害する動機で」行動したと述べた。 8月24日、ドネツク州クラマトルスクのホテルがミサイル攻撃を受け、滞在していたロイター取材班のうちライアン・エバンス安全顧問が死亡、複数が重軽傷を負った。 SBUは20日の声明で、ロシア軍参謀本部のアレクセイ・キム副参謀長(大佐)が、8月24日の攻撃を承認したと発表した。SBUはキム副参謀長にこの攻撃の公式容疑者であることを通知したとしている。 SBUが調査結果をまとめた15ページにわたる別の通知で、ミサイル発射の決定は「ウクライナで報道活動に従事していた国際通信社ロイター社員を意図的に殺害する動機で」行われたと指摘した。 検察のウェブサイトに20日公開された文書は、キム副参謀長がロイタースタッフがクラマトルスクに滞在しているという情報を得ており、そのスタッフが「民間人で、武力紛争に参加していないことを十分に認識していた」としている。 SBUは、主張を裏付ける証拠は示しておらず、ロシアがなぜロイタースタッフを標的にしたかの説明もない。ロイターの質問に対し、SBUは捜査がまだ進行中だとして、詳細情報の提供を拒否した。 ロシア大統領府のペスコフ報道官は、ロイターに、ウクライナでは「ロシア軍は軍事インフラしか攻撃しない」と電子メールでコメントした。 ロイターはSBUの主張を独自に確認していない。 ロイターは20日、「2024年8月24日のロシア占領地域から20キロメートル余り離れたクラマトルスクのサファイア・ホテルに対するミサイル攻撃に関するウクライナ治安当局の情報に留意している」とした上で「この攻撃は壊滅的な結果をもたらし、安全顧問のライアン・エバンスが死亡し、編集チームのメンバーが負傷した。われわれは引き続き攻撃に関する詳細な情報を求めていく。ジャーナリストが自由かつ安全に報道できることは極めて重要だ」と声明は述べた。