記録的な金価格高騰、根底にあるのは中国人投資家の熱狂的買いか
中国の消費者と機関投資家は現物の地金を買いあさり、中国人民銀行(中央銀行)は1年5カ月にわたって購入を続けている。この2つの力が国際価格を押し上げ、さらに投機的需要の急増を後押ししている。
こうした説を裏付ける数字がある。上海先物取引所での取引は爆発的に増加しており、4月の1日平均取引量はその前12カ月間の約3倍に膨らんだ。4月15日には19年以来最高の約1200トンのピークに達したが、今週に入り価格は下落に転じた。
長期的な金強気派にとって、相場上昇のもろさが判明すれば懸念材料になり得る。国営メディアは最近、相場上昇を追いかけることに対して警鐘を鳴らし、上海先物取引所は過度のリスクテークを抑制するために必要証拠金を引き上げた。
上海先物取引所の取引高が急増している一方で、未決済建玉数にほとんど変化がない点は注目に値する。これは、参加者が長期的な視点を持たずデイトレーディングを行っていることを示唆する。金価格は22日に2.7%下落し、23日にも続落した。
中国の投資家がいつまで取引に参加するかという議論は、そもそも何が彼らを上海先物取引所に引きつけたのかという問題に結びつく。機関投資家や個人トレーダーは上海先物取引所で、人民元の短期的変動に賭けて金を買っているのかもしれない。今年、同取引所の夜間セッションが最も活況を呈しているのは、注目の米経済データが相次いで発表されドル高が進行した時だ。
原題:Gold’s Record-Setting Rally May Have Its Roots in Chinese Frenzy(抜粋)
--取材協力:Winnie Zhu、Eddie Spence、Jack Ryan.
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Mark Burton, Sybilla Gross, Yvonne Yue Li