「ブラックペアン2」二宮和也の「フランス語」をネイティブはどう見たか…小池栄子の「英語」との違いとは
視聴率は好調維持
嵐の二宮和也が主演するTBS系日曜劇場「ブラックペアン シーズン2」(日曜午後9時)の視聴率が好調だ。初回11.8%、第2話11.9%、第3話11.8%、第4話は五輪中継の裏となり9.6%と減少を余儀なくされた(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。だが、原作者の海堂尊氏が心臓血管外科医役でカメオ出演していたことや、看護師・花房美和(葵わかな)の母の手術の行方が話題になっており、次回への期待が高まっている。(※以下、ネタバレを含みます) 【写真】「みんな若い」「戦友!」の声…二宮が投稿した6年前の3ショット。大反響だった4歳、小6の時の一コマも ***
夏ドラマでは、フジテレビ系「新宿野戦病院」(水曜午後10時)に主人公のヨウコ・ニシ・フリーマン役で出演している小池栄子の英語に違和感を抱く視聴者が多いようだが、同じ外国語という点から見て「ブラックペアン2」に主演している二宮のフランス語はどうなのか。 この夏の連続ドラマをウォッチングしている放送ライターがこう指摘する。 「二宮演じる天才外科医の天城雪彦は、若い同僚外科医の世良雅志(竹内涼真)のことを“ジュノ”と呼んでいますが、なぜそう呼んでいるのか劇中では明確な説明がありません。“ジュノ”とはフランス語の“jeunot”のことで若造、青二才という意味で使われます。天才外科医の天城から見ると世良はまだまだ未熟な駆け出し医師とことなのかもしれません」 そもそも、劇中にいきなりフランス語の「ジュノ」という台詞が現れたのは原作の設定に合わせているからだ。「ブラックペアン2」の第1話では天城はオーストラリアの心臓専門病院で執刀している医師という役柄だったが、原作の「ブレイズメス1990」「スリジエセンター1991」ではモナコ公国にあるモンテカルロ・ハートセンターの部長職。モナコは西ヨーロッパのミニ国家で北、東、西はフランスと国境を接しており公用語はフランス語だ。
「ジュノ」の由来
原作では、佐伯教授の命令で天城に封筒を渡すことになった世良は、カジノに興じる天城を発見し封筒を渡すのと同時に、学会をドタキャンした天城に「礼儀知らずでしょう」と苦言を呈する。これに天城は「初対面の相手に正論を言えるなんて。これから君をジュノと呼ぼうか」と返す。これが「ジュノ」の由来となる場面だ。他にも、天城は日本人と会話する際、冒頭に「トレビアン(素晴らしい)」「ボンジュール(おはよう。こんにちは)」「ビアンシュール(もちろん)」などのフランス語を付けることが多い。ドラマの中で二宮の台詞がフランス語交じりになっているのも原作の影響を受けているからだ。 それでは、二宮のフランス語はどれほどのレベルなのか。7月7日放送の第1話で、二宮が競馬場のシーンで話したフランス語についてネイティブに聞いてみると、「上手に発音されているのでほとんど聞き取れます。1つ言えば、『Bien sur』(もちろんです)は最後に“r”があるので、伸ばしたあとに小さくハッと付け加えるような発音になりますが、ここが欠けているように聞こえました」という回答だった。 「二宮の場合、冒頭にフランス語の単語が1つ、2つ付け加えられているだけですのでそれほど難しくはないと思います。それに比べ『新宿野戦病院』での小池の英語は、岡山弁とのチャンポンとはいえ、きちんとした構文になっているので台詞を覚えるのは大変なはず。小池の発音に難色を示す視聴者も多いようですが、二宮の台詞に違和感を覚える視聴者はほとんどいません。フランス語が天城のキャラクターに優雅な印象を与えているからでしょう」(前出の放送ライター) 第1回では、20年前の韓国ドラマ「冬のソナタ」で一躍有名になったチェ・ジウ演じる医師兼実業家に韓国語で「タンシンチュゴヨ(あなた、死にますよ)」と天城(二宮)が語りかけるシーンもあった。もちろん原作にこんなシーンは登場しない。振り幅の広さがこのドラマの人気に繋がっているのかもしれない。 デイリー新潮編集部
新潮社