『婚カツ!』から『ミス・ターゲット』まで 時代とともに変わる“婚活ドラマ”の変遷を辿る
婚活模様をリアルに感じさせた福田麻貴主演の『婚活1000本ノック』
2024年に入ってからも、男性にモテる職業No.1のはずが、常に多忙で結婚できないナース専門の結婚相談所を描いた矢田亜希子主演の『ナースが婚活』(テレビ東京系)や、イケメンなのにモテない探偵が婚活しながら事件を解決していく向井理主演の『婚活探偵』(2022年/BSテレ東、BSテレ東4K)の再放送、生涯のパートナーを求めて日々奮闘する売れない小説家が幽霊となったクズ男とバディを組んで婚活する福田麻貴(3時のヒロイン)主演の『婚活1000本ノック』(フジテレビ系)、そして現在放送中の春クールのドラマ『ミス・ターゲット』と続々。 ドラマの主役といえば美男美女と相場は決まっているが、そこにお笑い芸人の福田を主演に持ってきた『婚活1000本ノック』は、運命の相手探しに奮闘する主人公が愛嬌のあるキャラクターに仕上がり、婚活模様をリアルに感じさせる効果もあり、コミカルなテンポ感も相まってすんなり楽しめた。そう、婚活ドラマはどこかポップさがないと面白くない。そもそも身近なところでパートナーと出会い、とんとん拍子に結婚できれば、誰も苦労はしない。婚活していると、自分が相手を見るように、相手からも見られる。実に疲れることもしばしばあるものだからこそ、せめてドラマの世界では、娯楽としてのエンターテインメントを提供してほしいのだ。 実際のところ、日本人の生涯未婚率(50歳まで一度も結婚したことがない人の割合)は上昇していて、「国税調査報告」により算出された、国立社会保証・人口問題研究所調べの「人口統計資料集(2024年)※」によると、2020年時点で男性は約28%、女性は約18%が未婚。男性はだいたい3人に1人、女性はだいたい5人に1人が、50歳の時点でまだ結婚していないという現状がある。 だからこそ、今後も恋愛だけではなく、結婚や婚活をテーマにしたドラマは生まれ続けるだろう。配信番組においても、恋愛や婚活のリアリティー番組が、日本をはじめとした世界中で配信されている。令和の現在、個性が尊重されやすい時代でもあり、必ずしも結婚しなくてもいいし、自分の生き方は自分でデザインしていい時代。そんななかで、今後も婚活ドラマがどんな変遷を辿っていくのか、見守っていこうと思うのだ。 参照 ※ 国立社会保障・人口問題研究所ホームページ(https://www.ipss.go.jp/)
かわむらあみり