読売新聞

　半導体産業の支援で連携している福岡銀行や肥後銀行など九州・山口・沖縄の主要13地方銀行は15日、台湾積体電路製造（TSMC）熊本工場の供給網に地場企業が参入するのを支援するプロジェクトに参画したと発表した。13行の取引先と台湾企業を引き合わせて協業を促し、早期の参入実現を後押ししたい考えだ。 【イメージ】TSMC進出で人口増続く熊本県菊陽町が描く3エリアの「将来ビジョン」

　プロジェクトは、九州大や、TSMCに人材を輩出している台湾・陽明交通大などと協力して進める。今年度中にも日台企業をマッチングする商談会を開く計画で、13行は、半導体分野での協業に関心を持つ取引先70社超をリストアップして九大に紹介した。九大は、各社の技術的な課題の洗い出しや人材育成の支援などを進める。台湾側の参加企業は陽明交通大が募っているという。

　半導体産業は裾野が広いが、TSMCの供給網への新規参入は技術面などでハードルが高く、地場企業単独では難しいとされる。このため13行は、すでにTSMCと取引がある台湾企業の九州進出に地場の半導体関連企業が協力することで供給網参入を目指す。台湾企業にとっても、日本企業との協業は人材確保や法規制、商習慣への対応などで利点があるとみられる。

　13行はさらに、日台企業による協業で工場新設などが計画された場合、協調融資など本業面で支援することも視野に入れている。

　地銀連携は今年1月に九州・沖縄の11行で始まり、5月に山口銀行と北九州銀行が加わった。