ウクライナ・戦争の長期化「2年目の避難生活」に変化 日本で働く決断した66歳男性も 自立して暮らすための『雇用・語学』などが悩み
■避難者の思い…国に残る家族のために
働き口が限られる避難者の中で、仕事を見つけた人がいます。 ウクライナ中部・ジトーミル出身のヴィクトル・バギンスキーさん(66歳)。知人の勧めもあり、1人で来日しました。 2023年3月から、神戸市にある有馬温泉の旅館で週4日ほど、風呂の清掃などを担当しています。 日本語がまだまだ苦手なヴィクトルさん。翻訳機の力を借りながら、同僚とコミュニケーションを取っています。慣れない環境でも一生懸命働くのには、理由がありました。
【ヴィクトル・バギンスキーさん】「娘を手伝わないといけない。娘が出産したのでこの仕事が本当に必要なんだ」 昨年、ウクライナに残る娘が出産。孫が生まれたのです。 【ヴィクトル・バギンスキーさん】「娘たちは日本の私の支援を必要としている。少しでもお金を送れば暮らすことができるんだ」 希望していた軍隊への参加は、高齢のため断念。娘のために日本で働く決断をしました。 【ヴィクトル・バギンスキーさん】「日本の生活はとても難しいです。ここに来て1年半になります」 「魂が傷つきます」 Q.それは戦争から離れて日本にいるからですか? 【ヴィクトル・バギンスキーさん】「そうです」 祖国を守るため、ウクライナの男性の多くが国に残る中、ヴィクトルさんは日本で家族のためにできることを続けます。
■長引く戦争で避難者の状況も変化
この旅館にはもう1人のウクライナ人、南部・ヘルソン州出身のナタリア・グリゴローヴィッチさん(69歳)も働いています。 【ナタリア・グリゴローヴィッチさん】「私はお風呂や鏡を掃除します。お風呂上がりに、お客さまにきれいな自分の姿を見てほしいから、鏡をきれいにしているの」 縁もゆかりもない日本に来たのは、政府からはじめに提案された避難先だったからです。 当初は文化になじめるか不安を抱えていましたが、今では職場のムードメーカーになりました。 【ナタリアさんの同僚】「自分が重いものを持っていると『少しずつにしなさい』とか(ナタリアさんが)お母さんみたいに言ってくれる」
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