フェラーリの維持は怖くない!? 13年落ちスーパーカーの意外すぎる車検整備費用の結果を公開!!!
29歳で人生初のフェラーリを購入した『GQ JAPAN』の編集部員のイナガキが、ひょんなことからまたフェラーリを購入した! はたして、2回目の“跳ね馬ライフ”はいかに? 【詳細を見る】フェラーリの車検整備費用の内訳を全公開
最終的な車検整備の金額とは
わがカリフォルニアは車検整備のため、フェラーリ横浜サービスセンターに預けた。 そこで、ハイビーム&ウォッシャーの作動不良が判明! 真夜中や雨天時に乗る機外がなかったため、気が付かなかったのだ。これを直さなければ車検に通らないという。もっとも、ユニット交換ではなく基盤修理で対応可能とのことで、費用も5万1000円に抑えられた。 とはいえ、総額36万円の出費は痛い。一方で「ケチったところでクルマが壊れたら、元も子もないのでは?」と、いった意見もある。必要箇所をしっかり整備した上で、今は不要な整備を実施しない、というスタンスをとっている。 さて、カリフォルニアは今更ながら本当に完成度が高く衝撃的だった。 10年以上前のクルマとはいえ、最新のポルトフィーノと較べても大差ない、といっても過言ではない。そして、乗っても壊れそうな予兆ないのだ。とくにDCT(デュアルクラッチタイプのAT)の完成度が素晴らしく、変速時のストレスがほぼなくなった。安心して車庫入れも出来る。樹脂パーツの劣化こそ製造年数を感じさせるものの、ほかの部分は特に気にならない。組み立て精度も高く、フェラーリが大きく変化したことを実感する。“手作り感”は皆無。それがちょっぴり寂しかったりもするのだが。 とはいえ、壊れるリスクはゼロじゃない。そういえば先日、カリフォルニアと同年式のメルセデス・ベンツ「Eクラスクーペ」を所有する人が「車検に70万円近く掛かった。調子の悪い部分はなかったと思うんだけど……」と、ボヤいていたのを思い出した。 明細を見ると、故障を未然に防ぐべくさまざまなパーツ交換が実施されていた。長く乗るためには大切かもしれないが、ちょっと過剰では? と、思わなくもない。整備内容を見直せばもう少し安くなったように思うが、それでも50万円前後だろう。ちなみに走行距離は6万km台だった。 メルセデスで上記の金額だから、フェラーリで36万円というのは随分安いように思う。が、まだ見積から削除出来る項目はあるはずだ。 まずは、リモコンキーバッテリー。購入直後にキーレスエントリー機構が機能しなくなったため、近所のコンビニで電池を購入、交換済みだった。ゆえに、不要なのでカット。1000円浮いた。 次にパンク修理剤。見積では2万6700円とずいぶん高価だったが、インターネットで調べると数千円で購入可能なことが判明! 自分で手配してもよいそうなのでカットした。スペアキー作成もコードカードに8107円、リモートキー本体に9万4600円、キー登録工賃に2万2000円も要するのでパス。ほかに削られそうな項目はないか確認したものの、ワイパーブレードやブレーキフルードを自身で交換するのは不安なので、そのままとした。 結果、総額は税込み33万円。もし、ハイビーム&ウォッシャーの作動不良がなかったとしたら20万円台に収まっていた! 10年以上前のフェラーリ、しかも5万km走行個体であるにもかかわらず、だ。 ちなみに、“お得意様値引”は、端数調整のための2390円。つまり、ほかのカリフォルニアオーナーが同様の整備を受けても金額はほぼ変わらない。 フェラーリの整備、しかもディーラーで実施となれば数百万円必要になるのでは? といったイメージを持つ人は多いかも知れないが、実際は大きく異なる。しかも、最新のフェラーリには7年間メンテナンスプログラムが付帯するから、整備費用はグンと抑えられる。これは、最初の車輌登録から7年間にわたって、すべての定期的なメンテナンスを保証する純正メンテナンスプログラムだ。くわえてどのフェラーリでも、新車保証が3年間付く。つまり、最新のフェラーリだと、ほぼメンテナンス費用不要で維持できてしまうからスゴい。 だからといって、気楽にフェラーリライフを楽しめるわけではない。自動車保険や税金は高額だし、駐車場所にも気を遣う。それに、メンテナンスプログラムが切れたわがフェラーリの場合、修理や故障した場合、多額の費用が発生するリスクもゼロではない。 それでも、かつてのフェラーリと較べれば、安心して所有できるのは間違いない。これは360モデナとカリフォルニアを所有した筆者だからこそ断言する。 スーパーカー、とくにフェラーリに憧れを持つ向きは思い切って買っても後悔はそれほどしない、かも!?
文と編集・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)