大河初出演にして初主演の横浜流星、「なぜ僕が…という気持ちが」と告白するも全力投球宣言
「なぜ自分を選んでいただけたのか、というのは今でも思っています」 とは、横浜流星。1月5日よりスタートする大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』に主演している。 【写真】これは沼る…主人公が半端ない『べらぼう』での横浜流星
覚悟を持って作品を届けたい
「大河ドラマは、もちろん目標のひとつとしていた作品。でも、それよりも“なぜ?”というのは大きかったかもしれないです。NHKの別作品に携わった後、大河ドラマの主演を務められている方が多いと思うのですが、僕はNHKの作品に携わったことがないので初出演、初主演。でも選んでいただけたからには、覚悟を持って作品を届けたいなと思います」 演じるのは、蔦屋重三郎(愛称は蔦重)。吉原の貧しい家に生まれ、引手茶屋(遊郭で客を遊女屋に案内する茶屋)“駿河屋”の養子に。貸本屋から身を起こし、書籍の編集・出版業を手がけ、“江戸のメディア王”にまで上り詰めた人物だ。 「プレッシャーに関しては“大河ドラマだから”というものはないです。どの作品も、すべて100%でやっているので。そうでないと、他の作品に失礼なので」 クランクインしたのは6月。撮影は1年以上続く。 「江戸時代を生きることも、1年以上かけて作品や蔦重と向き合うことも挑戦だと思いますし、役者としてとても贅沢で幸せなこと。準備が多い作品だと“時間が足りないな”と思うことが多いので。そこを大事にしながら、みなさんに愛される蔦重を作っていけたらいいなと思っています」 物語序盤の舞台は吉原。寂れかけた色街や、幼なじみの花の井(小芝風花)ら女郎たちの困りごとを知恵と人を思う気持ちで解決していく。 「いい意味で大河ドラマらしくない、すべてが(笑)。もちろんスケール感は別ですけど。派手な戦がないからこそ、商いの戦になっていて。展開もすごくスピーディーなエンタメになっています。なんとなく自分の中には“大河ドラマは堅い”というイメージがあって。 だから若者は構えてしまう部分もあると思うのですが、それが一切ない。大河ドラマファンの方々はもちろん、そうじゃない方々にも楽しんでいただけると思うし、届くとうれしい。そして、それが自分の使命なのかなと思っています」 蔦重は、一般的にはさほど有名な人物とはいえない。 「そうですね。ただ彼は多くの功績を残して、江戸を豊かにし、“江戸のメディア王”と呼ばれるようになる。今でいうと出版社の社長であり、プロデュースも営業もすべて自分で担う。本当に多才な人物だと思っています」 そんな蔦重の才能や魅力について聞いてみると、 「やっぱり、もともと持っているものもあると思うんです。情に厚かったり、責任感があったり、挑戦に失敗してもへこたれないメンタルだったり。いろいろあると思うんですけど、いちばんの魅力は自分ではなく誰かのために動けるところ。 吉原や女郎、絵師、そして世の中のために。そう思える人間は強いなと思いますし、やっぱり協力も得られるので、力が何倍にもなる。自分もそういう人間でありたい。自分だけではなく、誰かのためにも頑張れるような人間になりたいと思っています」