千葉翔也、『アオのハコ』主人公役は必然だった? 『よう実』綾小路との“ギャップ”を堪能
千葉翔也×鬼頭明里の『よう実』コンビも、『アオのハコ』の“配役の妙”
少し余談になるが、千葉にとってレーベルの先輩であり、共演も多い内田雄馬が大喜の部活の先輩・針生健吾を演じている配役の妙も印象的だ。音楽イベントなどでも千葉の愛され力は健在で、「KING SUPER LIVE 2024」では、内田だけでなく、蒼井翔太からも千葉の名が上がるなど、業界の先輩たちから可愛がられている姿が印象に残る。作中の大喜のように、その誠実な努力が周囲からの確かな信頼を集めているのだろう。 これまで『86-エイティシックス-』のシンエイ・ノウゼン役、『ALL OUT!!』の祇園健次役、『ブルバスター』の沖野鉄郎など、様々な役柄を演じてきた千葉。『アオのハコ』での演技を見た後に振り返ってみて、やはり凄みを感じるのが『ようこそ実力至上主義の教室へ』(以下、『よう実』)の綾小路清隆役だろう。加えて、『よう実』においては、千葉と鬼頭が主人公とヒロインの役どころで共演しており、『アオのハコ』での再会は運命を感じさせる。 『よう実』での綾小路といえば、一見すると目立つことを避け、無気力で何事にもやる気を見せない人物だ。物語の途中から本性を現していく複雑なキャラクターであり、主人公らしからぬ立ち位置で活躍していく。声優としてのデビューからわずか数年で、この難役を演じきった千葉の実力には目を見張るものがある。爽やかな猪股大喜とは正反対の人物像を、すでにこれほどまでに見事に表現していたのだから。 バドミントン、バスケットボール、新体操……インターハイを目指す高校生たちの日々には、恋心だけではなく、競技への熱い思い、ライバルとの輝かしい競い合い、夢への強い願いが息づいている。 高校生たちの懸命な努力の積み重ねが、確かな成長へとつながっていく姿には、どこか親心のような気持ちすら芽生えてしまう。原作を読んだ上でアニメを視聴中のいちファンとして、率直に言って、放送前はここまで“完璧な大喜”が現れるとは思わなかった。千葉翔也が丁寧に描き出す1人の男子高校生の青春を、共に笑い、共に涙し、心ゆくまで味わいたいものだ。 参照 ※1. https://realsound.jp/movie/2023/11/post-1494087.html ※2. https://www.youtube.com/watch?v=2ZwSELxQdOE&list=PLVs8KIyueUjVP3I3rirL0Iie_OiAHvkDi&index=3 ※3. https://realsound.jp/movie/2024/12/post-1869367.html
すなくじら