関税強化で国内生産が減る懸念も…アメリカ大統領選挙でトランプ氏勝利 モノづくり盛んな東海地方への影響は
アメリカ大統領選挙に勝利したトランプ氏は、自国を優先する「アメリカファースト」を明確にしていて、私たちの暮らしにも影響を与えそうです。また、自動車部品を製造するメーカーからは、懸念の声も上がっています。 【画像】経済評論家の荻原博子さん
■経済評論家「円安にふれる可能性が高くなってきた」
トランプ氏といえば、自国の経済を最優先する「アメリカファースト」です。経済政策への期待などからアメリカの株価は上昇しました。しかし、為替相場は11月6日午前は1ドル151円台でしたが、7日は一時、154円台後半まで円安が進みました。 円安が進むと心配なのが物価の高騰で、2024年はすでに1万2000品目以上が値上げされています。 名古屋の街では、「オリーブオイルとか日常で使うものがすごく上がった感じがする」「身近なものがすでに高くなっているから、これ以上高くなっちゃうと家計が火の車」などの声が上がりました。 今後の為替相場について、経済評論家の荻原博子さんに聞きました。 荻原博子さん: トランプがなったことで円安にふれる可能性が高くなってきましたね。アメリカは多少過熱してくると、金利を上げなければならない。日本は金利をそんなに上げられないですよね。そうすると日米の金利差が開いて、円安に結びついてくる。
■モノづくりの現場でも懸念の声
トランプ氏が政策に掲げているのが、アメリカの輸入品に対する関税の強化です。 名古屋市守山区の「白金鍍金工業」は、自動車のフロントグリルやドアハンドルのめっき加工などを行っています。 関税が強化されれば、日本からアメリカへの輸出が減り、現地生産が増えると懸念しています。 さらに、円安でめっきの原料となる銅やニッケルの高騰が予想されるほか、2024年10月から最低賃金が50円アップしたことから、人件費も増加します。 白金鍍金工業の笹野真矢社長: 日本の車両メーカーが現地生産を増やし、国内生産が減ってしまうということが考えられます。自動車部品の売上高が約85%となっておりますので、会社全体としての売り上げがかなり下がってしまうと考えられます。 しかし、トランプ氏の大統領就任でウクライナでの戦闘が終結し、原料のニッケルの供給が安定する可能性があると話します。 白金鍍金工業の笹野真矢社長: ウクライナ戦争が始まってから、供給網の混乱などでニッケル等の価格の高騰につながっていました。これを終結させることができれば、価格が安定化していく可能性があるので。 日本だけでなく世界全体に大きな影響がありますが、名古屋では期待と不安の声が上がりました。 街の人A: トランプさんと日本の総理がどう対峙するか、今の石破さんではちょっと心配ですね。 街の人B: 安全保障をまず一番に、景気も活性化してうまくいけばいいかなと思いますけど、その辺を一番期待しています。 (東海テレビ)
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