「全国映画感想文コンクール」推奨!大ヒット公開中の『ブルー きみは大丈夫』が推奨されるワケ
映画を通じて「コトバとココロを育む」ことを目指して2013年にスタートした「映画感想文コンクール」(主催:映画感想文コンクール実施委員会、事務局:キネマ旬報社)。毎年、1万数千もの応募が集まる本コンクールでは、公式サイトで推奨作品をいくつか紹介している。そのひとつが、いま日本中を涙で包んでいる『ブルー きみは大丈夫』(公開中)だ。
『ブルー きみは大丈夫』あらすじ―–
幼い頃に母親を亡くした12歳の少女ビー(ケイリー・フレミング)は、ある日、おばあちゃんの家で、子供にしか見えない不思議な”もふもふ”ブルーと出会う。ブルーが友達だった子供は、今は大人になり彼の事を忘れてしまい、居場所が無くなったブルーは、もうすぐ消えてしまう運命に。少女は、大人だけどブルーが見える隣人の男(ライアン・レイノルズ)の力を借り、ブルーの新しいパートナーになってくれる子供を探すのだった。
本作が推奨されるひとつには、主人公が12歳ということ。コンクールは小中学生が対象であり、まさに同世代の主人公に自身を投影しやすいだろう。 同世代の少女が、心に傷を負いながら、それを乗り越えて強く生きようとするその姿に、それでも挫けそうになったり、涙してしまったりするその姿に、自分以外の人の幸せのために一生懸命になるその姿に、共感しまた様々な思いを馳せるに違いない。 また、本作の劇中に登場する個性的なキャラクターの数々!ブルーはもちろん、その他にも、サニー(歩いて話す人型の花)、アイス(グラスの水の中の氷)、オクト・キャット(水を恐れない猫)、スーパードッグ(スーパーヒーロー犬)、石けんバブル(泡風船)などなど。誕生した背景まで設定されていて、その個性が愛おしくてたまらない。これらは主人公より世代が下の小学生低学年・中学年の児童の心にも、さまざまなメッセージを残すことだろう。
そして、すべての子ども、またかつて子どもだったすべての人たち、すなわち全世代の心に刺さるのが、この作品の大きなポイントでもある。主人公の目から、父の目から、祖母の目から、またIF(イマジナリーフレンド)の目から、さまざまな視点から描かれることもあり、年齢・性別によってはもちろん、誰と一緒に観たかによっても、感じ方が違ってくるという、非常に繊細で物語性の高い作品である。 『2回目は友達と観てきました!1回目はビー目線で観たけど、今回はたくさんの優しさがそこかしこに散りばめられていることに気づく』『(一緒に鑑賞した中学生の娘が)「良かった…」と噛み締めるように呟き暫く席を立たなかった。思春期ならではの感じるものがあったよう』『きっと観る度に感じ方が違う気がする』『一晩たっても余韻がすごい』『想定以上に連れと二人で号泣。ぜひ大人にこそ観てほしい』など、SNSでのコメントにも納得だ。 映画は複数人で同時に同じ作品を鑑賞することができるので、鑑賞後に感想を語り合うことができる。自身とは違う感想や考え、笑ったシーンや泣いたシーン。他者のそうした感情に触れることでまた「コトバとココロ」が育まれていく、まさに映画感想文コンクールが目指すものである。 映画感想文コンクールで推奨される本作が、多くの児童とその周囲の人たちに届き、どんな感想文が応募されるのか、今から非常に楽しみだ。