【Playback箱根駅伝】第9回/3区・権泰夏でトップに立った明大が優勝 早大の猛追をかわし逃げ切る
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第9回箱根駅伝総合成績をチェック
第9回(1928年/昭和3年) 中盤の貯金生かして明大が4度目の戴冠 5区で関大の津田晴一郎が関東勢抑えて区間賞
関西地区から武者修行のかたちで関大が初参加。前回までに出場経験のある9校を含めた10校で開催された。 往路は激しく先頭が入れ替わる展開となる。1区では辻久人の快走もあり、東京高師が先行。2区では3位でスタートした明大の千葉毅が区間2位の好走でトップに立った。 連覇を狙う早大は2区終了時点で4位と出遅れたが、3区で河田薫が区間賞の走りを見せて先頭を奪う。だが、明大は4区で権泰夏が区間新記録の快走で再びトップに。前回まで5区で3年連続区間賞を獲得していた八島健三は区間4位に留まったが、先頭を守り切って5年ぶり3回目の往路優勝を果たした。 2位は8分1秒差で早大。関大は5区で津田晴一郎が八島の区間記録を更新して順位を9位から7位に上げた。 復路の明大は6区の永瀬芳雄が区間2位で滑り出すと、7区の山本巌雄が区間賞を獲得して早大とのリードを17分に広げた。 8区以降は早大の追い上げたが、7区までの貯金が生きて明大が3年ぶり4回目の総合優勝。史上初めて総合タイムで14時間を切り、13時間54分56秒の大会新記録を樹立した。 2位の早大は後半3区間で10分以上の差を詰めたものの、明大には7分16秒差をつけられた。関大は8区の片渕昇が区間新記録の走りで順位を5位に上げたが、9区、10区で順位を落として9位に終わった。 なお、同年夏のアムステルダム五輪には慶大に転学した津田が日本代表としてマラソンに出場。2時間36分20秒で6位入賞を果たした。また、権泰夏も1932年ロサンゼルス五輪に津田とともに日本代表としてマラソンに出場している。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
月陸編集部