個性派ホテルの誕生で札幌ステイが変わる!
デザインコンセプトは「21世紀に生まれ変わる開拓使時代の邸宅」
ではこの「ホテル創成札幌Mギャラリーコレクション」を実際に宿泊した私の目線でご紹介してまいりましょう。
まず巨大なホップのオブジェが置かれたエントランス。これはホテルのある創成東エリアが、近代以降、本州からやってきた開拓使が海外の知識人・技術者の招致を行いながら、さまざまな分野の産業を生み出したことにちなんでいます。ホップ、札幌と言えばもちろんビール。実はこの地は「開拓使⻨酒醸造所」が明治9(1876)年に開業され、日本人の手による本格的なビールづくりがスタートした場所でもあるのです。
というわけで、ホテル全体のデザインコンセプトは北海道開拓使にちなみ、「21世紀に生まれ変わる開拓使時代の邸宅」。フロントからバーラウンジのエリアも開拓使の社交場をイメージし、どこか楽し気です。この北海道開拓使とは明治2年から15年まで置かれていた中央官庁のひとつだそうで、欧米の文化・技術をもとに農業、鉱工業などの新しい産業を興し、日本各地からの移住を促進していました。漠然と、屯田兵と同じようなものと考えていましたが、屯田兵は平時農業を営むかたわら軍事訓練を行い、いざ戦争が始まった際には軍隊の組織として戦う兵とのことですから、まったくの別物なんですね。日本史で習った気もしますが、遠い日のことで忘れてしまいました。『ゴールデンカムイ』*をちゃんと読んでみよう。 *野田サトルによる日本の漫画。『週刊ヤングジャンプ』にて、2014年から2022年まで連載された。 2018年4月からテレビアニメが放送され、2024年1月には実写映画が公開された。
開拓使時代にちなんだディテールが楽しいホテル内散歩
このコンセプト“開拓使”はホテル内のさまざまなモチーフとして使われているので、それらを探して散歩するのも楽しい。
全118室ある客室には、開拓使が外国から輸入した品々から着想を得た家具やインテリアを採用し、⻄洋の洗練された雰囲気と、歴史を感じさせる和のモチーフとの調和がゆったりとした心地よさを生み出しています。