珠洲に靴店「復活」 今井さん、全壊専門店から引き継ぎ
能登半島地震で被災した珠洲市のギフトショップ経営の女性が災害で地域から消えた靴店を再開させる。地域活性化への思いを胸に店主は前を向き、店頭に立つ。 珠洲市内で靴店を復活させるのは「ギフト館イマイ」。店内に専用コーナーを設け、11日から、スニーカーやブーツ、革靴、長靴、サンダルなど多彩な商品を販売する。 元日、市内で唯一残っていた専門店「シューズショップあゆみ」が地震と津波で全壊した。500足以上の商品を失い、廃業を余儀なくされた。 このため、住民は市外へ出るか、通信販売を利用するしか、靴を買う方法がなくなった。顧客の困った声を聞いた「イマイ」の今井麻紀子さん(50)が「あゆみ」を経営していた徳力(とくりき)律子さん(80)に相談。靴の仕入れ先の紹介をはじめ、可能な限りの協力が得られることになった。 10日、上戸町北方の「イマイ」の店内には準備を進める2人の姿があった。 手伝いに来た徳力さんは「自分の店を42年間切り盛りし、客の好みを覚えるほど、力を入れてきた。閉める時は寂しかったわいね」と振り返りながら、わくわくした様子で新しい靴を棚に並べた。 徳力さんの思いも受け継いで靴の販売に乗り出す今井さんは「少しずつ種類を増やし、地域のお役に立ちたい」と意気込んだ。