日鉄に敗れた米クリフス、USスチール買収実現には組合の支持不可欠
(ブルームバーグ): 米鉄鋼大手USスチールの買収合戦で日本製鉄に敗れた同業の米クリーブランド・クリフスの経営幹部は、全米鉄鋼労働組合(USW)の全面的支持なしには買収は実現しないとみている。
ローレンソ・ゴンカルベス最高経営責任者(CEO)と財務責任者は買収合戦で敗れてから4カ月が経過した23日の決算発表後の電話会議で日鉄による買収を批判。
「この恥ずべき出来事において、日本製鉄の無知な経営陣が組合の支持なしに成し遂げられるとどうして考えたのか、今でも私は困惑している」と述べた上で、USWの組合員の支持なくしては不可能だと指摘した。
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同CEOはその上で、バイデン政権には「日鉄との取引を終わらせるさまざまな方法があり、遅かれ早かれ実行されるとわれわれはみている」と話した。
ホワイトハウスは同CEOの発言についてコメントを控えた。
日鉄は昨年12月にUSスチールの買収で合意したが、USWとバイデン米大統領の反対により、投資家は取引の先行きに確信を持てないでいる。国家安全保障上の審査が行われるが、今年の遅い時期まで結論は出ない可能性が高い。
原題:Cliffs CEO Blasts US Steel Deal for Lacking Union Support (2)(抜粋)
--取材協力:Yvonne Yue Li、Josh Wingrove.
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Guillermo Molero