地震で生まれる”土砂ダム” 「できるだけの工事をやっている」土砂災害対策検討委員会が現場を視察
川が土砂によってせき止められてできる「土砂ダム」は能登半島地震の被災地でも確認されていて、決壊などを防ぐ応急工事が各地で進められています。 28日、有識者メンバーらが現地を視察し適切な工事が行われているか確認していました。能登半島地震による土砂ダムは国交省北陸地方整備局が把握しているだけで6つの河川で14箇所あります。 北陸地方整備局ではそのうち3河川の4カ所で土砂災害を防ぐ工事を進めていて、28日は、大学の研究者や国土交通省の職員などで構成する土砂災害対策検討委員会のメンバーが、輪島市町野町を流れる寺地川の現場を視察しました。 寺地川の上流では、およそ5万立方メートルの土砂が川に流れ込んでいて、2か月前からコンクリートブロック堰堤の設置工事が行われています。 土砂災害対策検討委員会・丸井英明委員長「川の勾配自体は非常に緩いので大きな土石流というのは発生しない。土砂を含んだ水が流れくるということでそういうものであったらこのブロック堰堤で十分に止めることができる」 これから注意が必要なのは梅雨時期の雨の影響です。27日、視察前の現状確認を行った検討委員会では、工事箇所に設置されている水位計や監視カメラなどの情報から土砂災害を起こすような変化は見られないことが報告されていました。 丸井英明委員長「現時点で考えられる範囲ではこの短い期間でできるだけの工事をやっている」「自然の事なのでどういうことが起きるか分からない。十分に慎重に対応することが必要」 この後、委員らは男性1人の安否が未だ分かっていない輪島市市ノ瀬町の土砂崩れ現場を訪れ、紅葉川にできた土砂ダムの水を排水するための仮排水路の建設状況も視察しました。 応急工事は5月末までに概ね完了する見込みで、北陸地方整備局では梅雨時を前にさらに整備を進めることにしています。
北陸放送