大洲の暑さ指数にびっくり! 県が夏に測定した結果…
2024年を「暑かった」と振り返る人は多いのではないでしょうか。今年は全国的な猛暑で、愛媛県でも7月から8月にかけて15日連続で熱中症警戒アラートが発表されました。 さて、県内で特に暑い地域として名前が挙がるのが盆地に位置する大洲市です。筆者は支局長として4年間住んだので、よく分かります。夏場のお昼ごろに外に出るとムッとした熱気を感じました。夏日や猛暑日をほかの地域より早く観測することも多く、そのつど取材に走ったものです。 そんな暑さに着目し、愛媛県が大洲市の各地点で「暑さ指数」(WBGT)を測定していることをご存じでしょうか? 暑さ指数とは熱中症の危険度を示す指標で、近年、学校や工事現場などで運用されています。 特に暑かったこの夏、大洲市ではどんな数値が出たのでしょうか?(中井有人) ■暑さ指数とは まず暑さ指数について、おさらいしましょう。 環境省のウェブサイトなどによると、暑さ指数は①湿度②日射・輻射(ふくしゃ)など熱環境③気温―の3つのパラメーターから算出します。数値が高いほど熱中症の危険が高まります。 指針では、暑さ指数25以上28未満が「警戒」、28以上31未満が「厳重警戒」、31以上は運動が原則中止の「危険」とされています。 熱中症警戒アラートは、ある地点で当日の最高数値が33に達すると予測される場合、環境省と気象庁が発表します。発表は前日夕方または当日早朝です。併せて、その地点の暑さ指数の推定値も示されます。推定値は気象庁のアメダスに基づいて算出されています。アラートが出た日は、できるだけ涼しい環境で過ごし、こまめな水分・塩分補給をしましょう。 なお2024年度から、翌日の最高指数が都道府県内の全地点で35を超えると予測される場合、「過去に例のない危険な暑さ」として熱中症特別警戒アラートが出ることになりました。これは今夏、全国でも発表例がありませんでした。 ■大洲市の値は… さて大洲市です。気象庁のデータで1991~2020年の平年値を見ると、県内で7月と8月の最高気温が最も高いのは大洲観測所で、7月は32.2度、8月は33.4度となっています。 大洲観測所の今夏最高気温は8月4日の37.2度で、愛南町御荘の37.8度に次ぐ県内2番目の暑さでした。気温で見ると、県内屈指の暑さであることに間違いはなさそうです。 この暑さに着目したのが、愛媛県衛生環境研究所(東温市)の気候変動適応センターです。センターは、大洲市で暑さ指数の実測データを集めようと試みました。2023年に市内3地点、2024年は4地点に本格的な測定器を置き、7~8月の暑さ指数をフルタイムで測りました。測定器の設置場所はすべて「小学校敷地内の屋外の日当たりの良い場所」です。23年は山間部の肱川小、市街地の喜多小、海に近い長浜小の3校。24年は、3校に山麓部の菅田小を加えた4校としました。学校の立地場所の違いで比較ができるように選んでいます。 というわけで、24年の結果がこちら↓です。 一日の最高暑さ指数は、全地点でほぼ31以上の赤い「危険」エリアにあります。7月27日には菅田小で実に37.2を計測しています。ちなみに大きく下がっている日は、台風など悪天候の日です。 驚くのは、アメダスの推定値を全地点のほとんどの日で上回っていることです。センターによると、他地域を含めたこれまでの調査でも、実測値がアメダスの推定値を上回る傾向があるといいます。天気予報でアメダスの推定値が示されても、実際はもっと数値が高いというわけです。この点、注意が必要です。 どこも暑っ‼
愛媛新聞社