「施設イチの問題児」の過去がある元保護猫と家族になり8年目 “もじもじ”した姿で飼い主を幸せにする存在に!
できたこと一つひとつが大きな感動
施設の方の言葉通り、はじめは軍手をしなければごはんもあげられず、1カ月ほどは大変でした。人見知りなきっとちゃんに対して、飼い主さんは「とにかく怖い存在じゃないと信じてもらえるように」と心がけ、きっとちゃんと向き合い続けたといいます。やがて、飼い主さんの努力が少しずつ実っていきました。 飼い主さん: 「シャーと言わなかった、ケージから出てきた、おやつを食べてくれた、そっと触ることができた、自分から近くに来た…その一つひとつが本当に大きな感動で。当たり前であろうそれらが、私たちにとっては大変喜ばしいことでした。たしかに苦労したのかもしれないですけど、遥かに喜びが大きかったです。はじめて横で寝てくれた夜は、もったいなくて眠れなかったのを覚えています」
8回目のうちのコ記念日を迎えて、きっとちゃんにあらためて「ありがとう」と伝えたい
写真にもあらわれているように、きっとちゃんは恥ずかしがり屋で控えめな性格。飼い主さんによれば、「もじもじしながらじーっとこちらを見つめる行動は、本人なりに精一杯『触ってほしい』『こっちを見てほしい』と甘えているんです」とのこと。 年齢を重ねるごとに、甘えることもどんどん上手になっていきました。前足でちょんちょんとアピールしてきたり、大好きなおやつが欲しいときは大声で鳴いたり、いつも飼い主さんの隣にいたり、ついてきたり――言葉は通じなくても、「大好き」の思いは伝わっているといいます。 きっとちゃんとの出会いから8年が経過し、きっとちゃんのさまざまな成長を見守ってきた飼い主さん。これまでの日々を振り返り今どのようなことを思うのかを聞くと、「あらためて出会いに感謝しています」との思いを話しています。 飼い主さん: 「8年前に保護施設できっとと出会い、『たった1匹。数字にしたらたった1だけど、保護猫のために私も何かするんだ』と心に決めて、きっとをお迎えしました。ですが、救われたのも癒されたのも、幸せにしてもらったのも私のほうでした。不思議ですが、きっとが無防備にすやすや寝ている姿を見るたびに、『今日も私は大丈夫』と思えるんです。きっとが私の人生のすぐそばで、どんなときもそっと寄り添って生きていてくれることが、本当に本当に幸福なことだと感じています。きっとには、『8年間私の日々に寄り添ってくれて本当にありがとう』と伝えたいです」 保護猫だったきっとちゃんを家族に迎え、日々幸せを感じている飼い主さん。取材の最後に、こんな思いも話していました。 飼い主さん: 「きっとから幸せをたくさんもらっているので、今はきっとや動物の保護活動そのものに恩返ししていきたいというのが私の目標です。これからももっと自分にできることを自分なりに考えて、きっとと一緒に進んでいきたいです。家族を求めている猫ちゃんやワンちゃんと、優しい誰かが私たちのようにご縁で結ばれますように。きっときっと…と、愛猫とともに願っています」 写真提供・取材協力/@kitto_kijitoraさん/Instagram ※この記事は投稿者さまにご了承をいただいたうえで制作しています。 取材・文・構成/雨宮カイ
ねこのきもちWeb編集室