トム・ヒドルストン、ドラマ「ロキ」最終話の撮影は「感動的だった」
一方トムは、「僕たちは、物事や人生の好みがよく似ていると思う。でも、熱く意見が対立しているときのロキとメビウスを演じるのが大好きだった。ロキとメビウスは、かなり重大な問題を解決するために一緒になった奇妙なカップルだ。ロキにはロキの考え方が、メビウスにはメビウスの考え方がある。僕たちはその対立を演じるのが大好きだったんだ」と振り返る。
シーズン2には、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でアカデミー賞助演男優賞を受賞したキー・ホイ・クアンが、ウロボロス(通称O.B.)というTVAのエンジニア役で新たに参加、コミカルな役どころを好演している。トムは「彼はとてもユニークな熱意を持って演じていると思う。O.B.は何千歳とかなんだ。でも、文句を言わずにみんなの問題を解決している。そこにいることを喜んでいるんだ。彼ほど楽しく温かい人はいないよ」とキー・ホイを絶賛していた。
シーズン2のラストでロキは、時間織り機に向かって歩くうちに神の姿へ変わると、死にかけている時間軸を束ねて王座につき、ユグドラシル(世界樹)という樹木のような構造体に再編成する。パネルの最後、トムはこのシーンの撮影を感慨深げに振り返り、観客をしんみりさせた。「とても感動的な日だったよ。僕にとって旅の終わりだったし、最後の瞬間だったからね。そのシーンはカメラの動きがとても複雑で、微調整が必要だった。ジャスティンとアーロンが、『本番まであと45分ほどある。控室に戻って、この15年間の旅路を振り返ってみたらどうだい』と言ってくれた。すごく励まされたよ。それで僕は、最初の頃のシーンや、すべてのキャスト仲間を見たんだ」と明かすトム。 「クリス・ヘムズワース、アンソニー・ホプキンス、レネ・ルッソ、ケネス・ブラナーのことを考えた。そして、オリジナルの6人のアベンジャーズ……ロバートとクリス、スカーレット、マーク、ジェレミー、クリス。そして『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』『マイティ・ソー バトルロイヤル』『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』から『ロキ』シーズン1までずっとね。これまでにできた友人たちとのすべての体験や、幸せな思い出の数々を思い浮かべた。そしてようやく、ロキが、友人や愛する人たちのためにやっていることに気づいたんだ。それで、僕は自分に言った。『トム、友人や愛する人たちのためにやるんだ』とね。そして、僕たちはそれをやったんだよ」
これで、ロキのストーリーは一応の完結を見たわけだが、また彼が復活することがあるかどうか、トム自身もわからないそうだ。とはいえ、世界中の熱狂的なファンの存在を考えると、近いうちにまたロキを見られる可能性は十分あるような気がする。(吉川優子 / Yuko Yoshikawa)