「磁気スイッチ付LEDモジュールリード線仕様」でフィギュアを輝かせ、魅力をさらに引き出そう!
ビット・トレード・ワンの「磁気スイッチ付LEDモジュールリード線仕様」は、プラモデルに仕込むとロボットのスラスターやカメラアイ、戦闘機や艦船の警告灯、ほかにも様々な所を光らせることができるツールだ。弊誌でもガンプラの中にこのLEDを仕込んだレビューを行っている。 【画像】ビット・トレード・ワンの「磁気スイッチ付LEDモジュールリード線仕様」。20cmのリード線が2本。基盤は直径約11mm、高さ約5mmの小ささで、プラモデルにも簡単に組み込める。2灯式は1つの基板から2組のリード線が伸びている。 今回、1つの基板から2つのLEDが出た「2灯式」が11月2日に発売された。そこで本稿ではこの「磁気スイッチ付LEDモジュールリード線仕様 2灯式」を、さらにハードルを下げた、もっと手軽な使い方を試してみた。フィギュアに貼り付けて暗所で撮影を行うだけだ。暗い場所、例えば夜の室内とかで、フィギュアと両面テープ、スマホと三脚(スマホスタンドでもOK)があれば、色々な写真が撮れる。LEDによってフィギュアの魅力がさらに引き立てられるのだ。 LEDを使うことで、キャラクターの必殺技やギミックを再現したり、照明として効果的に使うなど様々な使い方ができる。本稿では筆者の手持ちのフィギュアを使って、「リード線仕様のLEDでどんなことができるか?」ということを色々試してみた。LEDによってフィギュアの魅力をさらに引き出してみたい。 ■ フィギュアやプラモデルに簡単に"電飾"できる小型で使いやすいツール まずはビット・トレード・ワンの「磁気スイッチ付LEDモジュールリード線仕様」を改めて紹介したい。本商品は直径約11mm、高さ約5mmの基板から細さ0.3mm、長さ20cmのリード線が2本伸びている。この基板に「CR927 ボタン電池」を差し込むことでLEDが点灯する。 この基板は"磁気"に反応する。冷蔵庫にくっつけてあるメモクリップなど磁石であれば何でも基板に近づけることで光のON/OFFだけでなく、点滅、明滅なども切り替えることができる。 2灯式の色は現在6種類。「グリーン」、「レッド」、「ブルー」、「ホワイト」、「ウォームホワイト」、「オレンジ」、が発売されている。プラモデルの中に仕込みやすく、リード線で離れたところを点灯可能だ。 今回はもっと手軽に、フィギュアに両面テープを貼り付けるなど、最小限の工作で楽しく写真が撮れる方法を試していきたい。 ■ 手に貼るだけで「かめはめ波」、手芸ビーズで「繰気弾」! まずは写真を見て欲しい。使用したフィギュアはBANDAI SPIRITSの「S.H.Figuarts ヤムチャ -地球人屈指の実力者-」である。使用した「磁気スイッチ付LEDモジュールリード線仕様」のカラーは「ブルー」。 マンガ/アニメ「ドラゴンボール」シリーズの代表的な必殺技「かめはめ波」の気を溜めるシーンが再現できたと思う。青く光る気のエネルギーが構えた両手の中で集中されていく雰囲気が出ている。 実はこの写真は、「リード線を右の手のひらに貼っただけ」である。両面テープを手のひらに貼り付け、その上にリード線の先端部分を配置したのだ。リード線は腕で隠れるように配置したが明るいところでは見えてしまうリード線も、暗いところではご覧の通りほとんど見えない。 両面テープはプラモデルの部品の仮止めや、ロボットの追加装備を見せるための一時的な接着、フィギュアで大きな武器を構えさせるための保持など、一時的な処置として使われることも多い。今回の「磁気スイッチ付LEDモジュールリード線仕様」を活用するためにも非常に便利な道具だ。 もう1つ、「暗所でのiPhoneでの撮影のコツ」も紹介したい。iPhoneのカメラは補正機能が優秀で、LEDを引き立たせるために暗い場所で撮影しようとしても、思った通りの絵が撮れない場合がある。そこでカメラを向けてから左にスワイプしてサブメニューを出し、+/-と書かれた露出を調整する機能を選択、露出を下げることで撮影写真が暗くなりLEDの光が引き立つ。この調整でLEDを使った撮影がやりやすくなる。 暗所での撮影のコツは「スマホを動かさないこと」。露出を下げて撮影するとシャッター時間が長くなるため、スマホは三脚かスマホスタンドでの固定をして撮影しよう。 次は「繰気弾」である。手のひらから気のボールを出してから相手に向かって飛ばす技で、気のボールはヤムチャの意思のまま自在に操れる。ゲーム作品などでも取り上げられることが多いヤムチャオリジナルの必殺技だ。 フィギュアでこの気のボールをどう表現するか? 実はこの球、「手芸用のビーズ」なのだ。紐などが通せるように真ん中に穴が開いているのが非常に良く、ここにLEDの先を入れるだけで非常に雰囲気が出た。「磁気スイッチ付LEDモジュールリード線仕様」は、「ウォームホワイト」を使用している。 昨今はフィギュア用のエフェクトパーツなども多く出ているがこれらをLEDと組み合わせることはもちろん、今回のように手芸用品などと組み合わせれば色々な表現が可能だ。アイディアを練ることで様々なアイテムと組み合わせることができるだろう。 ■ パトレイバーのパトランプ表現は"後ろに貼り付けるだけ"で雰囲気バッチリ! 次に使用したフィギュアはBANDAI SPIRITSの「ROBOT魂 イングラム2号機」。イングラムは警察用のレイバー(ロボット)であり、パトカーのようなパトランプが両肩に装備されている。フィギュアではこのパトランプはクリアパーツで造型されており、LEDで光るかもしれない。と考えた。 パトランプの構造に近くするならば、ピンパイスなどで内部に穴を開けLEDを挿入するというのも方法の1つだが、今回はただ単に「パトランプの背中側に貼り付け光らせる」という方法を試してみた。これだけでもとても良い感じになった。使用した「磁気スイッチ付LEDモジュールリード線仕様」は「レッド」だ。 しかも「磁気スイッチ付LEDモジュールリード線仕様 2灯式」は"点滅"が可能だ。磁石を近づけることで、「点灯」、「点滅」、「明滅」、「消灯」を繰り返す。点滅させることで、回転灯が回っているような演出ができる。 パトレイバーを扱ったフィギュア、プラモデルはパトランプにクリアパーツを使っている商品は多い。また、モチーフ元であるパトカーのプラモデル、フィギュア、さらには警察モチーフのロボットなど、このLEDがあれば、そのキャラクター性を強化できるだろう。 ■ 格納庫での雰囲気を追求、LEDの露出具合で光量の調整が可能 「LEDをどう使おう」と考えて思いついたのが「基地のジオラマ」。そのベースにぴったりなのがコトブキヤの「メカニカルチェーンベースR A」。簡単な組立式のジオラマベースで、ここにフィギュアやプラモデルを置くだけで、格納庫内のメカの演出ができる。フィギュアはタカラトミーの「トミカプレミアムunlimited 超時空要塞マクロス VF-1S バルキリー(ロイ・フォッカー 機)」を使った。 「メカニカルチェーンベースA」は土台に穴が開いている。ここから「磁気スイッチ付LEDモジュールリード線仕様」の「白」を差し込むと……雰囲気バッチリの格納庫ジオラマになった。VF-1Sの土台とメカニカルベースのレールが相まって、発進用のエレベーターに見えるのがさらに嬉しい。 メカニカルベースは複数穴が開いているので、置くフィギュアの大きさにあわせLEDの配置を変えれば効果的だろう。もう1つ今回知見を得たのが「LEDの露出のさせ方」である。最初穴からLEDの光が漏れるように発効部分を穴の下に配置していたのだが、光量が足りなかった。 そこで穴にLEDを差し込みベースから飛び出すように配置したら、光量、雰囲気がバッチリになった。本当にちょっとの工夫と思いつきで変わるなと思った。こういった試行錯誤もツールの面白さだろう。 ■ 被写界深度を工夫し、アイドルのステージ風背景を撮影する! 最後は「被写界深度をうまく調整することでLEDの光を背景のように使えないか?」というアイディアで撮影を工夫してみた。iPhoneのデフォルトのカメラアプリでは調整が難しかったので、この写真のみデジタル一眼レフカメラを使用している。 被写界深度とは「対象物と背景のボケ」を調整するときに使われる用語だ。カメラではF値(絞り)を調整することで、対象物と背景をくっきり写したり、対象物のみをはっきり写して、背景をボケさせたりできる。グラビアや、フィギュアの写真でこのボケを効果的に使うことで魅力的な写真が撮れる。 使用フィギュアは「劇場公開記念 一番くじ 劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!&劇場短編マクロスF ~時の迷宮~」の「A賞 Scarlet noble ver.フレイア・ヴィオンフィギュア」である。歌っているシーンのフィギュアを使いたかったのだ。 背景がぼけたことでLEDが幻想的な雰囲気を加えている。実はこの写真を撮るにはこれまでのように暗闇でLEDを光らすだけではダメだった。主役であるフィギュアが真っ暗でシルエットだけしか見えないのだ。そこで撮影ボックス内で色々ライトを動かしフレイアの顔にライトが当たり、なおかつ背景が明るくなりすぎないように工夫をした。 今回、手軽さを強調するため背景紙に直接セロテープでリード線を貼り付けたが、背景紙に穴を開けLEDを露出させることでリード線が目立たないようにするというのも良いと思った。F値やライトの位置を工夫して写真を撮るのも楽しい経験だった。 「磁気スイッチ付LEDモジュールリード線仕様」は非常に魅力的なツールだ。プラモデルの電飾用に考えられた、内部に埋め込みやすく、光る場所をきちんと配置できる設計になっているが、フィギュアとも非常に相性が良く、より気軽に、簡単に使い、魅力的な写真を撮ることができる。 今回の企画は思いついたアイディアを実行してみたが、想像よりずっとカッコ良くなった。「磁気スイッチ付LEDモジュールリード線仕様」色々な実験ができるツールだと思う。点滅や明滅でさらに可能性が広がる。ビット・トレード・ワンはほかにも模型用ツールを出している。今後色々組み合わせて試して見たい。 (C)バードスタジオ/集英社・東映アニメーション (C)HEADGEAR/BANDAI VISUAL/TOHOKUSHINSHA (C)TOMY (C)1982 BIGWEST (C)KOTOBUKIYA (C)2021 BIGWEST
HOBBY Watch,勝田哲也