リーグ最年長40歳・長谷部誠はいまなお健在。今季初先発で痛感する「自分が出場した試合でチームが勝つこと」の重要性
2月18日に行われたドイツ・ブンデスリーガ第22節、フライブルク対フランクフルト。堂安律と長谷部誠の日本人対決が実現したこの試合、堂安はチームのファーストゴールとなる同点弾を決める活躍を見せた。一方の長谷部はこの試合が今季リーグ戦初先発。スリーバックの中央で相手の猛攻を度々防いでフル出場を果たした一方、PKを献上するなど直接失点に関わる場面もあった。リーグ最年長の40歳、限られた出場機会の中で奮闘するレジェンドは現在の自らが置かれた状況とどのように向き合っているのか? (文=中野吉之伴、写真=picture alliance/アフロ)
今季リーグ初スタメンを飾った「ブンデス現役最年長」長谷部誠
前人未到の領域で戦っている男。それがフランクフルトでプレーする元日本代表キャプテンの長谷部誠だ。 1月に誕生日を迎え、数える齢はすでに40歳。ブンデスリーガ現役最年長であり、歴代でもフィールドプレーヤー5番目の最年長出場記録を持つ。 今季はこれまでのシーズンと比べて、出場機会は多くはない。下部リーグ相手のドイツカップでこそスタメン出場があったが、リーグやUEFAヨーロッパカンファレンスリーグでは短い出場が数回あったのみ。 フランクフルトには元ドイツ代表DFロビン・コッホが加入し、好パフォーマンスで守備の安定に貢献している。「いつまでも長谷部に頼ってはならない」というのはここ数年間クラブが取り組み続けてきたテーマであるだけに、信頼できる後継者が出てきたことはクラブにとっては喜ばしいことだ。 ではこのまま長谷部は出番がないままシーズンを終えることになるのか、というとそういうわけでもない。第22節フライブルク戦ではそのコッホが通算5枚目のイエローカードで出場停止となったこともあり、長谷部は今季リーグ初スタメンを飾ることになったのだ。 試合は互いに譲らぬ白熱した展開が続き、最終的に3-3の引き分けで終えた。長谷部は定位置である3バックのセンターでフル出場。試合の流れを読みながらの冷静かつ的確なポジショニング、相手や味方の位置関係を頭に入れながらのゲームメイク、状況に応じて細かく守備ラインをコントロールする統率力など、この日が今季初スタメンとは思えないハイレベルなプレーが数多く見られた。