大腸カメラの苦痛が少ない「軸保持短縮法」という方法はご存じですか? 【医師解説】
内視鏡検査を受ける医療機関を選ぶポイントは? 費用も教えて!
編集部: 実際に大腸内視鏡検査を受ける時、どのような医療機関で受けたら良いでしょうか? 工藤先生: やはり内視鏡専門医のいる施設で、大腸内視鏡検査の経験豊富な医師にお願いするのが良いと思います。 医療機関のHPなどには、医師のプロフィールが掲載されていますので、「内視鏡専門医」の記載や内視鏡専門医としての経験がどのくらいあるかなどを確認してから受診しましょう。 編集部: 検査を受ける時に知っておいた方が良いことなどはありますか? 工藤先生: 検査前には腸管に溜まっている便を外に出す作業が必要になります。そのため、腸管洗浄剤という液体を1~2リットルほど飲んでいただきます。 検査のおよそ4時間前から飲むのですが、あまり美味しい飲物ではありません。実際には検査よりもこちらの方が大変だと言われる患者さんが多いので、そこは理解しておく必要があります。 編集部: 費用についても教えてください。 工藤先生: 大腸内視鏡検査やポリープ切除には保険が適用されますので、ポリープ治療した場合は、3割負担の方で2~3万円、1割負担の方で1万円前後となっています。 これに加えて診察代や鎮静剤などを使った場合はその費用、気になる組織を生検した場合などは、その費用も加算されます。 編集部: 最後に、Medical DOC読者へのメッセージがあればお願いします。 工藤先生: 大腸内視鏡検査は、腸管の粘膜を直接観察できる優れた検査法ですが、苦痛を伴うということで敬遠されてきました。しかし最近は、苦痛を和らげるための工夫がたくさん開発されており、そのひとつが「軸保持短縮法」です。 医師が軸保持短縮法のテクニックを習得するためには2~3年くらいの修行が必要で、まだどこのクリニックでも受けられるわけではありませんが、軸保持短縮法で検査できる医師というのは、それだけの高い技術を持っているという指標でもありますので、ご自身の担当医に「軸保持短縮法を用いて検査をしているか否か」を少し聞いてみるのも良いと思います。