【動画】無数の流れ星が縦横無尽に… 実は人工衛星「スターリンク」 天体観測への支障も懸念
琉球放送
今月4日夜から翌5日未明にかけ、沖縄県石垣島の北の空で無数の光跡が縦横無尽に飛び交っているのを、石垣島天文台(国立天文台)が撮影した。 【写真を見る】【動画】無数の流れ星が縦横無尽に… 実は人工衛星「スターリンク」 天体観測への支障も懸念 撮影した花山秀和さんによると写っている光跡はほぼ、スペースX社が宇宙空間に多数打ち上げているインターネット通信衛星の「スターリンク」だという。 花山さんは、天文台に寄せられた一般からの情報提供で、特定の条件下でこうした“光の舞”が観測されるという天文雑誌の記事を読み、石垣島で観測できる条件が整っていたため、今月4日、天文台の広報用の一般的なミラーレスカメラで撮影を試みた。 実際に深夜から未明にかけてのおよそ4時間、北の空の水平線・地平線付近を飛び交無数の光跡が撮影できた。 ▽石垣島天文台(国立天文台) 花山秀和さん 「これはフレア現象(人工衛星のソーラーパネルなどに太陽光が反射した瞬間に強く輝く現象)というものです。最近は条件が整うと、空の低いところでフレア現象が頻繁に起こることが分かり、今回検証しました」 花山さんによると、緯度が低い石垣島では夏至に近いころ、太陽が水平線の下で一定の位置にあるときに、空の低いところでこうした“光の舞”、フレア現象が観測できる。 ▽石垣島天文台(国立天文台) 花山秀和さん 「水平線の下に太陽があり、上を照らしていて、(人工衛星は)そこに鏡があるかのような状態。時間とともに光っている領域が左から右に移るが、そう見えるのは、沈んだ太陽が水平線の下を移動しているからです」 この時期の石垣島では、昼間の太陽の「南中」は午後1時ごろだが、夜中は北の水平線の下にある。花山さんは、水平線下の太陽と人工衛星の位置関係から、夜中の午前1時の前後2時間に光跡が見えると予想。結果として多くの光跡が撮影できたという。 普段は目に見えない人工衛星が実際は縦横無尽に飛び交っていることが分かる人工的な天体ショーだったが、この現象を検証した出発点は、天文台が行う天体の研究に与える影響を明らかにすることだと花山さんは語る。