「ひと言で不本意」「監督自身がパワーダウンしていった」FC東京の小原GMが2023年シーズンを総括。チーム低迷の原因は?
肝心の結果は出なかった
2023年シーズンのFC東京はリーグ戦で6年ぶりの二桁順位(11位/勝点43・12勝7分15敗/42得点・46失点)、ルヴァンカップ、天皇杯でもタイトルを獲れず、無冠に終わった。これを受け、FC東京の小原光城ゼネラルマネージャー(以下GM)がシーズンを総括してくれた。 【画像】セルジオ越後、小野伸二、大久保嘉人、中村憲剛ら28名が厳選した「J歴代ベスト11」を一挙公開! 「ひと言で不本意。ご支援いただいた関係者、スポンサーの方々、ファン・サポーターの皆様には申し訳ないと思っています」 そう謝罪の言葉を口にした小原GMは続けて具体的な内容を述べた。 「アルベル体制でスタートした今季、限られた予算の中で補強をして、キャンプまでは怪我人も出ず、チーム作りは順調に進んでいました。ただ、2、3節あたりから怪我人が出始め、戦い方として矢印がゴールに向いてない部分があって、それをどう改善するか。ゴールに向かうところ、強度を上げるところをトライしましたが、そのコネクト(接続)が上手く行かなかったことが結果に繋がらなかった大きな原因だと考えています」 小原GM曰く「4、5月くらいから正直、チームは不安定な戦いをしていました」。リーグ11節に福岡に0-1と完封負けを喫すると、続く12節の札幌戦は1-5と完敗。13節の多摩川クラシコで川崎に競り勝つも、浮上の兆しはあまり見られなかった。 「アルベル監督とも色々と話しましたが、監督自身もパワーダウンしていった。それで17節終了時点で代えざるを得なかった。どうやって良い方向に持っていくんだという話もしましたが、それも叶えられない状況になったと感じて(監督の退任を)決断しました」 その後に就任したのはピーター・クラモフスキー監督だ。小原GMは新指揮官に次のようなリクエストをしたという。 「17節を終えて28失点していたので、まずは守備の再構築。そのうえで、ゴールに矢印を向けるところにも(着手してもらいたかった)。(アルベル体制では)横や後ろにパスの矢印が向く比率が高くなっていたので、敵陣でのプレー時間、保持率を上げていく部分をピーター監督にお願いしました」 クラモフスキー監督就任後のリーグ3試合は無敗。小原GMも「良いフットボールができていた」と手応えを掴んだという。 「整理したのはゴール前の守備や切り替えの部分、そこをまずは徹底的にやりました。アルベル体制ではちょっと足りなかったトレーニングの質や強度のところも改善していって、徐々に成果が見えつつあったと思います」 しかし、最終的に肝心の結果は出なかった。低迷という言葉がしっくりくるだろう。 「シーズン後半はアタッキングサードの進入率は高くなっていて、シュート数やチャンスの構築率も上がりましたが、得点に上手く結び付かなかった。シンプルに戦術のところで崩しのバリエーション、選手の意思統一などがまだまだ足りなかった」 失点減には成功したものの、クラブフィロソフィの部分、つまり攻撃のところで成果を示せなかった。15ゴールを決めたディエゴ・オリヴェイラがいなかったら、「ゾッとしていた」というファン・サポーターも多いのではないのか。 構成●サッカーダイジェストTV編集部