本番見据え優美な音色 富山市八尾で4年ぶり曳山囃子鑑賞会
富山市八尾地域中心部で受け継がれている曳山(ひきやま)囃子(ばやし)の鑑賞会が2日、同市八尾町上新町の八尾曳山展示館で4年ぶりに開かれた。伝統を受け継ぐ6町のうち諏訪町と上新町が出演し、5月の越中八尾曳山祭を見据え、三味線や笛、太鼓の優美な音色を響かせた。 曳山の巡行時に演奏される曳山囃子は、各町が競うように芸の域を高めてきた。鑑賞会は技術の保存や伝承を目的に越中八尾曳山保存会が開催し、6町の住民を中心に観客が訪れた。 諏訪町曳山保存会の中島幸治会長は「諏訪町の囃子は抑揚のついたメロディーが特徴」などと紹介。10人が多彩な調べを奏でた。上新町曳山保存会(栃山仁一会長)は13人が出演し、太鼓のゆったりとしたリズムに合わせて味わい深い音色や唄を披露した。 それぞれ6種類の囃子を演奏し、各町で引き回しが終わった後に奏でる「おきんさ」で締めくくると、観客から大きな拍手が送られた。