新米出回り〝買い急ぎ〟一服 販売ペース鈍化
首都圏で〝依然品切れ〟も
家庭向けの米の販売ペースに一服感が出てきた。農水省によると、9月2~8日のスーパーでの販売数量は、前年同期比で1・2%減った。新米の出回りが進む中、消費者の買い急ぎが落ち着いてきた可能性がある。ただ、人口が多い首都圏では、依然品切れとなる小売店舗も目立つ。 KSP―SP社が提供する全国約1000店舗のスーパーの販売時点情報管理(POS)を同省がまとめた。集計期間は月曜から日曜日の週単位で、最新は9月2~8日の週。 地震や台風の影響で消費者の買い急ぎが活発化した8月は、5~11日が前年同期比39%増、19~25日が同49%増と大幅伸長した。ただ、月末からペースが鈍化し、8月26日~9月1日が同5%増、9月2~8日には前年を割った。 埼玉県のスーパーは「近隣の客は一通り米を確保した印象」と話す。一方、東京都心部のスーパーでは品切れも目立ち、売り物となる米自体が少ないことも販売ペースの鈍化に影響しているとした見方もある。 今後、流通量が多い北日本産の新米の販売が本格化する。スーパーでは「並べた途端に売れる状況」(大手米卸)もあるというが、値上げの影響を懸念する声もあり、先行きには不透明感がある。
日本農業新聞