素直になれない幼なじみの恋模様をチョン・ヘインとチョン・ソミン共演で描くラブコメ「となりのMr.パーフェクト」
前半はやきもきする展開も、後半に盛り返す
本作は、心温まるヒューマンラブストーリー「海街チャチャチャ」(21年)の脚本家と監督の再タッグということで、放送&配信前は人間ドラマとして期待はかなり大きかった。しかしながら、前半は、かたくなに過去を明かさないソンニュ、温厚な性格なはずがソンニュには子どもじみた態度を取るスンヒョ、ついつい外面を気にしてしまうミスクなど、各キャラクターの極端な言動が目立った。物語も進展しているのかどうなのかわかりづらく、それぞれのキャラクターの悩みも解決する気配がなく、かなりやきもきさせられることに。 それでも、後半になるにつれて家族のドラマやラブストーリーが盛り返していき、それぞれがしあわせに落ち着くところに落ち着いた。大団円であれば、多少のことも気にならなくなり、たまっていたフラストレーションも和らぐのだから不思議だ。それに、チョン・ソミンは勝ち気な役が合っていたし、そんな彼女に振り回されながらも、彼女が好きでたまらないチョン・ヘインの笑顔の破壊力も半端なかった。やはり、ラブストーリーの結末と、俳優たちの相性というのは重要なのだと実感させられる作品であった。 あくまで個人的な意見だが、チョン・ヘインとチョン・ソミンの共演でラブストーリーであるならば、奇を衒(てら)うような物語ではなく、ラブコメ要素たっぷりで気軽に見られる内容でもよかったのでは、と疑問が残ってしまったのは否めない。 Netflixシリーズ「となりのMr.パーフェクト」は独占配信中。
ライター 梅山富美子