ニュージーランド砂浜に出現、幻想的丸い巨岩群 不思議な岩の正体は?
THE PAGE
機内での食事を済ませ、入国審査カードを記入しようとペンを取った。書き進めると持ち込み物のチェック項目がいつもより細かいことが気になった。 動物性でもない加工食品から、土が付着していそうなシューズ、キャンプ、ゴルフ用品など。機内でも提供された食品は持参せず機内に残しておいてくださいとのアナウンス。牧畜国だからか検疫が厳しいのかと思ったが、そのためだけではなさそうだ。 ニュージーランド、とくに野生の動物が多く見られる南島のオタゴ、サウスランド地方に向かった。
早朝、ダニーデンから車で北に向かった。モエラキの海岸の砂浜に不思議な球体がごろごろ並んでいる。 直径1m以上、重さ約2トン以上あるこの球形の岩は、約6500万年前できた方解石の塊で、柔らかい泥の小石を核として、真珠のようにまわりにカルシウムや炭酸塩の結晶が付着してできたものだという。 いくつか崩れてしまったものもあるが、あまりの完璧な球形に、これが自然にできたものだとはなかなか信じられなかった。たどり着いた時は日の出前のちょうど干潮時。足跡もない砂浜に大小いくつもの球体のシルエットがとても幻想的だった。 (2017年6月撮影・文:倉谷清文) ※この記事はTHE PAGEの写真家・倉谷清文さんの「フォト・ジャーナル<野生動物との共存ニュージーランド> 倉谷清文第6回」の一部を抜粋しました。