埼玉の鉄道の課題とは…「人口の多い地域に鉄道の路線や駅がない」「開かず踏切が解消されない」 鉄道ジャーナリストの梅原氏が講演 地下鉄7号線の延伸やJR川越線の複線化にも言及
埼玉政経懇話会の11月例会が19日、さいたま市大宮区の大宮清水園で開かれ、鉄道ジャーナリストの梅原淳氏が「埼玉の鉄道のいま、そして未来は」と題して講演した。 JR南古谷駅を橋上化へ 南北自由通路の整備方針を決定 埼玉・川越市 現在は平屋建ての駅舎、南口にのみ改札口
梅原氏は鉄道雑誌の鉄道ファン編集部などを経て、2000年にフリーランスのジャーナリストとして独立。行政や自治体が行う鉄道に関する調査にも協力している。 県内の鉄道情勢について、梅原氏は「人口の多い地域に鉄道の路線や駅がない」「開かず踏切が解消されない」などといった課題を挙げた。 問題解決には、整備や用地取得に膨大な費用がかかることや、過去の事例から「鉄道事業者以外からの出資がないと難しい」と見解を提示。コロナ禍以降のリモートワーク進展や人口減少を背景に、収入源を危惧する鉄道事業者が運営合理化を急速に進めていることも解説した。 梅原氏は地下鉄7号線(埼玉高速鉄道線)の延伸やJR川越線の複線化などについても言及。地下鉄7号線は浦和美薗駅~岩槻駅間約7・2キロの整備に、1キロ当たり181億円の建設費が必要との試算から「着工のめどは立たない」と説明。またJR川越線の複線化については、他の路線と比較しても利用者数が多いことから、整備の必要性を指摘した。