「獣が死んだかのような…」姉が弟の遺体をマンションに4か月放置 住民が語る“凄絶”現場
「マンションの部屋から異臭がする」 7月2日、神奈川県横浜市磯子区にあるマンションの住人から110番通報があった。 【写真】弟が部屋で暴れていて…事件前に起きていた“異変”の証拠 異臭を放つ部屋の住人は、無職の松本雄一郎さん(47)。署員が松本さんの所在を調べると、付近の防犯カメラの映像から1か月ほど外出していないことを確認。同月17日、警察は松本さんの部屋を捜索することに。すると、寝室の布団の上で横たわっている雄一郎さんの遺体を発見。
獣が死んだかのような強烈な臭いがして…
同日、神奈川県警磯子署は雄一郎さんと同居していた姉でパート従業員の松本絵奈容疑者(51)を、死体遺棄の疑いで現行犯逮捕した。 同マンションに住む女性はその時の様子をこう話す。 「朝9~10時ごろ、マンションの入口のところにパトカーが数台停まっていて、複数の警官や鑑識らしき人がいましたね。何か事件があったのかと驚いた」 遺体はかなり腐敗が進んでいたようだ。 「少なくとも死後数か月が経過していたようです。警察は現在、雄一郎さんの死因を特定しているところ」(全国紙社会部記者) 逮捕された絵奈容疑者は、警察の取り調べに対して、 「弟は4月初旬ぐらいに亡くなった」 と説明し、容疑を認めているという。 冒頭の同マンションの住人はこう証言する。 「5月も異臭騒ぎがあったが、それほどひどいものではなかった。でも、6月には獣が死んだかのような強烈な臭いがして、家族のあいだでも“中で人が死んでいるんじゃないの”というような話も出ていた。だから、事件を知って、やっぱりなと……」
「何か得体の知れない怖さを感じました」
築50年の分譲マンションで、姉弟の部屋の間取りは3DK。2人のことを知る別の住人によると、同マンション建設時に松本家も購入したという。 「姉弟の両親が買ったのよ。結構人気があって抽選の倍率もものすごかった。でも1階にある古いスーパーの関係者が建てたマンションだったから、そのスーパーの社員だった2人の父親は、優先的に購入することができたの。だから、姉弟はここで生まれて育ち、いまも住んでいるんです」 その後、父親が20年ほど前に死亡。専業主婦だった母親の姿を見かけなくなった。 「3年ほど前、マンションの自治会のかたから“母親は亡くなっている”と聞きました。父親、母親の時代は近所づきあいをしていましたが、2人はいまどきの若いかただから、ねぇ。そういうこともなくなっていった」(同・別の住人、以下同) 姉は背がすらっと高く、弟はがっしりした体格だった。ともに独身だったようで、 「風変わりな姉弟でした。姉は挨拶も会釈もしない、どちらかというと無愛想でした」 弟は10年ほど前、ちょっとしたトラブルを起こしていたとも。 「姉が“弟が部屋で暴れている!”と玄関から逃げ出して別の部屋に駆け込んだとか。弟さんは引きこもりがちだったし、家庭内暴力があったのかも……」 そのときの名残として、姉弟の部屋の窓ガラスは今も割れたままだ。弟はほかにも奇行が。今年初旬のことだ。 「夜遅く帰宅すると、弟がマンションの階段スペースで立ったまま缶ビールを飲んでいた。階段の手すりの上にはつまみが乗っていた。何か得体の知れない怖さを感じました」(前出・マンションの住人) 別の住人からは弟は無職で2人はお金に相当困っていたのではないかとも……。都会の片隅でひっそりと暮らしていた姉弟に一体何が起きたのか、捜査の進展が待たれる。