日本の長期金利、11年ぶりに「大台」到達のワケ…今後の動向は?【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
日銀の慎重な舵取りで長期金利急騰と景気悪化は回避、10年国債利回りは年度末1.2%に
仮にこの先、長期金利の大幅な上昇が一本調子で続いていけば、家計の住宅ローン金利や企業の借入金利の上昇などにつながり、実体経済にも影響が及ぶことになります。ただ、長期金利の持続的な大幅上昇は、日銀が連続利上げなどで金融引き締めに大きく舵を切る展開を織り込むような場合などに生じるもので、現時点で日銀がそのような政策をとる公算は小さく、長期金利の大幅な上昇が続いて景気が冷え込む恐れも小さいと考えます。 弊社は日銀の金融政策について、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導水準は、10月に0.25%へ引き上げられると予想しており、市場では10月の追加利上げが完全に織り込まれています(図表2)。国債買い入れは6月会合で減額方針が示されることも想定されますが、慎重な減額の舵取りと、おおむね半年ごとの緩やかな利上げペースにより、10年国債利回りは2025年3月末に1.20%で着地するとみています。 (2024年5月24日) ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『日本の長期金利、11年ぶりに「大台」到達のワケ…今後の動向は?【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』を参照)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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