【今日は何の日?】『ゼルダの伝説 ふしぎの木の実』(大地の章・時空の章)が発売された日(2月27日)。ストーリーにダンジョン、謎解きまでもが異なる2つのパッケージが同時展開
2月27日は『ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 大地の章 時空の章』が発売された日だ。 【この記事に関連するほかの画像を見る】 『ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 大地の章 時空の章』は、ゲームボーイカラー専用のアクションアドベンチャーゲームだ。携帯ゲーム機向けの『ゼルダの伝説』シリーズの新作としては、1993年6月6日発売の『ゼルダの伝説 夢をみる島』に次ぐ2作目に当たる。開発は『ストリートファイター』、『ロックマン』、『バイオハザード』、『モンスターハンター』といった多数の著名タイトルを持つことで知られるカプコン。本作はそんなカプコンと任天堂との共同開発によって誕生した『ゼルダの伝説』の一作である。 骨格となるゲームシステムは『ゼルダの伝説 夢をみる島』がベースで、ABボタンそれぞれに武器・アイテムを割り振る機能、ダンジョン内などに設けられた横スクロールマップなどは引き続き採用。ただ、今回はゲームボーイカラー専用タイトルのため、ゲームボーイカラーとその後継機、ゲームボーイアドバンス以外では遊べない設計にされている。 最大の特徴は『大地の章』と『時空の章』という2つのパッケージ。一見、育成RPG『ポケットモンスター』シリーズのバージョンのように、システム、ストーリーは同じだが、細かい要素が異なるという仕組みを連想しやすい。しかし本作は骨格のシステムは共通ながら、ストーリーにフィールドマップ、登場キャラクター、果てはダンジョンとその謎解きおよびゲームバランスの方向性までもがパッケージ独自のものになっている。要は2本とも完全な新作で、仕組み違いのバージョンではないのだ。 そのため、『大地の章』と『時空の章』はそれぞれ独自の特徴を持った新作『ゼルダの伝説』として完成されている。特に象徴的なのは『ゼルダの伝説』お馴染みの謎解きで、『大地の章』では春夏秋冬の「四季」を操る謎解き、『時空の章』なら現在と過去の「時空」を行き来する謎解きが楽しめる作りになっている。 また、2作共通の新システムで「リンクシステム」を搭載。『大地の章』と『時空の章』のどちらかの作品を最後まで終えると「あいことば」なるパスワードが手に入る。それをまだ遊んでいない作品の冒頭で入力してゲームを始めると、新しいキャラクターが登場したり、イベントが発生する”続きのストーリー”が楽しめるようになるのだ。 さらに続きのストーリーをプレイしていると、様々な人から「あいことば」を教えてもらえる。それを最初の章として遊んだ作品の方に戻って入力すれば、新しいイベントが発生してアイテムが手に入ったりといった変化が起きるのだ。他にも「あいことば」を入力して始めると、リンクの初期ステータスと装備も少しだけ強化された状態になるなど、2作を交互に遊べばより深いところまで楽しめる作りになっている。 共通の新システムではもうひとつ、「ゆびわ」もあり、装備するとリンクの攻撃力や防御力が上がったり、移動速度が上がるなどの恩恵が得られる。その数も60以上あり、すべてをコンプリートするという楽しみもある。 細かい部分でも『大地の章』と『時空の章』は、ゲームバランスの方向性も異なる。前者はアクション重視、後者は謎解き重視といった感じだ。当時、ゲーム雑誌などに掲載された広告では、『大地の章』は『ゼルダの伝説 時のオカリナ』が好きな人向け、『時空の章』は『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』が好きな人向けと紹介されていた。 そして、ゲームボーイカラー専用になったことで演出面も大きく強化。とりわけオープニングを始め、節目ごとに挿入される1枚絵(スチル)を用いたデモシーンは、前作『ゼルダの伝説 夢をみる島』から著しいパワーアップを遂げている。 全体的な難易度も”カプコンらしさ”が注入されているためか高めで、とりわけ『大地の章』はアクション重視なりにシビアな操作が要求されやすい。 また、本作は完全な形でのクリアを目指すとなれば、2作プレイすることがほとんど必須である。というのも、あいことばを入力することによって遊べる続きのストーリーでなければ、本当の最終ボスと戦えないからだ。(続きのストーリーでない場合、どちらの章も黒幕は倒されても、一部の問題が残された状態で終わる) オリジナル版の発売当時は、そんな完全な形でのクリアを目指すに当たってのハードルがやや高かったが、2024年現在はNintendo Switch Online加入者限定のソフト『ゲームボーイ Nintendo Switch Online』において2作揃ってプレイ可能。前作『ゼルダの伝説 夢をみる島』をカラー化し、新要素を追加した『ゼルダの伝説 夢をみる島DX』も遊べる。オリジナル版当時、2本買えなかった人や本当の最終ボスの存在を知らなかった人も、この機会にリベンジしてみてはいかがだろうか。 なお、余談になるが、カプコンと共同で開発された『ゼルダの伝説』は、本作以降にも『ゼルダの伝説 神々のトライフォース&4つの剣』、『ゼルダの伝説 ふしぎのぼうし』の2作がゲームボーイアドバンス向けに発売されている。この2作のうち、『ゼルダの伝説 ふしぎのぼうし』は「Nintendo Switch Online + 追加パック」購入者限定の『ゲームボーイアドバンス Nintendo Switch Online』でプレイ可能だ。 そして、カプコン開発による『ゼルダの伝説』3作でディレクターを務めた藤林秀麿氏は2024年現在、任天堂に所属し、『ゼルダの伝説』シリーズのディレクターとして活躍している。氏がディレクターとして携わった作品は『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』【※】、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』の3作(この他にサブディレクターを務めたニンテンドーDS向けの新作『ゼルダの伝説 夢幻の砂時計』がある)。これらと過去の2作を並行して遊んでみるのも一興だ。
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