【日本シリーズ2024】DeNA梶原昂希、師匠の前で見せた「成長」 新スタイルでとらえたオスナの速球
【ライトゴロを狙って果敢に挑むも......】 しかし2回表、2アウト満塁の場面で事は起こる。打席に入った投手の有原航平は、アンドレ・ジャクソンが投じた153キロのストレートを逆方向に弾き返すと、飛びついたファーストのオースティンの脇を抜けライトの梶原の前へ。 前進守備を敷いていた梶原はライトゴロに仕留めるため、ダッシュをして捕球。10月2日の巨人戦でもライトゴロを成立させており、また決めるのかと思いきや、オースティンはグラウンドに伏したままであり、またジャクソンがファーストのカバーに走っていたが、そこで梶原はボールをファンブルしてしまい、ソフトバンクに2点を与えてしまう。 短期決戦における先制点の重要性。積極的にチャージした梶原だったが、手痛い結果となってしまった。 ただ、以前ならばこの状況を引きずってしまったかもしれないが、今の梶原は違う。この回裏の初打席でセンター前へヒットを放ち、しっかりと切り替えて結果を出している。 とはいえ、この2点が重たくのしかかりDeNAは打線がつながらず、得点できないままだった。さらに9回表にソフトバンクに3点を奪われ0-5とされると、多くのファンが詰めかけたハマスタに敗戦ムードが漂った。
【高めの速球にニュースタイルで対応】 だが、そこで起死回生の一打を放ったのが梶原だった。 9回裏2死二塁の場面、相手はソフトバンクが誇るクローザーのロベルト・オスナ。梶原はインローに来た初球を見送ると、2球目の高めぎりぎりに来た149キロのカットボールをセンター前に弾き返してチーム初のタイムリーヒット。淀んでいたハマスタの空気が一掃された。 「パ・リーグ優勝チームのクローザーなので、1球でも逃したら次はない。一発で仕留める気持ちで行きました」 もともとはローボールヒッターであり、以前の梶原であれば打ち損じていた可能性が高い。高めの速球にも適応するため、夏場から石井琢朗チーフ打撃コーチと鈴木尚典打撃コーチと取り組んできた"ニュースタイル"により対応することができたと実感している。 「今季の成長が見えた打席でしたね」 梶原は自信を漂わせ頷いた。