東海大菅生を破った拓大一、日大三と神宮球場の重圧に屈するも、来年につながる貴重な一戦に!【24年夏・西東京大会】
<第106回全国高校野球選手権大会西東京大会:日大三 7-1 拓大一>22日◇準々決勝◇明治神宮野球場 【トーナメント表】西東京大会 22日までの結果一覧 優勝候補の東海大菅生を破り勢いに乗る拓大一であったが、初回にいきなり出鼻をくじかれた。 1回裏、日大三は前の試合でも先頭打者本塁打を含む2本の本塁打を放った本間 律輝外野手(2年)が打席に立つ。本間は1ボールの後の2球目を叩くと打球はライトスタンドに飛び込む、2試合連続の先頭打者本塁打となった。 「その試合、その試合で切り替えているので、意識はしていません」と本間は言う。それでも、積極的に打ってチームを勢いづかせるタイプの1番打者としての本領を発揮した一発だった。 拓大一は東海大菅生戦で完投した岡部 蓮(2年)ではなく、井上 蒼士(2年)が先発したが、「今日は正直浮足立っていました」と拓大一の松井貴寛監督が言う。日大三に集中打を浴びて4点を献上した。「岡部の体力的な部分もあるので、井上にゲームを作ってもらって、岡部と思っていました」と松井監督は考えていたが、結局1回裏からエースの岡部を投入せざるを得なくなった。 岡部は粘り強い投球で、ピンチを作っても得点は与えない。それでも日大三の三木有造監督は、「取れるアウトをしっかり取る」ことを選手に指示する。5回表に拓大一が1点を返すものの、傷口を広げないのが、日大三の良さだ。5回裏には敵失で追加点を挙げ、8回裏にも2点を追加して日大三が押し切った。 拓大一は東海大菅生戦では思い切りのよい攻めと守りで試合の流れを持ってくることができたが、この試合では、「思い切りよくやってきた、今までのような野球ができませんでした」と拓大一の松井監督は語る。それが日大三という伝統校の重圧であり、神宮球場という舞台の重圧であった。それでもエースの岡部は、2年生。「来年につながる試合ができました」と語る。岡部自身にとっても、拓大一というチームにとっても、これから上を目指していくために、貴重な経験となった神宮球場での一戦であった。