名スカウトがリストアップした甲子園の逸材たち
■松本裕樹投手(盛岡大付)/吉田凌投手(東海大相模) 一方、投手の中では、片岡氏は“大谷2世”として注目を浴びている最速150キロ右腕、盛岡大付(岩手)の松本裕樹投手よりも、まだ2年生ながら神奈川大会の決勝で20奪三振を奪った東海大相模(神奈川)、吉田凌投手を高く評価した。「松本は、181センチ、80キロという恵まれた肉体を持っていて馬力があり、腕の振りがスムーズで肘を柔らかく使える。日本ハムの大谷というより、横浜DeNAの山口のようなタイプの投手だ。ただ、まだ1球、1球のステップや、腕のふり、腰の移動などがバラバラで下半身が決まらない。上体の力だけで投げている。大谷と比べては可哀想。1軍の戦力になるまでには、時間がかかるだろう。二刀流として注目を浴びているバッティングに関しても体を使いこなせていない。その松本に比べると、2年生ながら吉田は完成度が高い。腕のふりも早く、上体と下半身のバランスがいい。ピッチャーが身につけなければならない部分をすでに持っていて安定感がある。ここから来年にかけて、さらにコントロールに磨きがかかる可能性もある。大化けの可能性は松本だが、吉田には確実性がある。安定感という面から見れば、明徳義塾(高知)の岸、星稜(石川)の岩下は、基礎ができていて評価できる。岩国の柳川などは、腕のふりが早く、独特のリズムで投げるので、ここから下半身ができてきて、絶妙のコントロールを身につけることができれば、今のヤクルトなら(笑)中継ぎで使えると思う」。 ■岸潤一郎投手(明徳義塾)/岩下大輝投手(星稜)/柳川健大投手(岩国)/山城大智投手(沖縄尚学) まとまりという点では、明徳義塾(高知)の岸潤一郎投手、星稜(石川)の岩下大輝投手をリストアップ。145キロのストレートとフォークを操り独特のテンポで投げ込んでくる岩国(山口)の柳川健大投手(184センチ、68キロ)にも注目している。