公開練習でサンドバッグ打ちを披露するユーリ阿久井政悟

プロボクシングのWBA世界フライ級王者のユーリ阿久井政悟（29）＝倉敷守安＝が1日、東京・新宿区の帝拳ジムで、同級8位のタナンチャイ・チャルンパック（24）＝タイ＝の挑戦を受ける2度目の防衛戦（13日、東京・有明アリーナ）に向けた練習を公開。テーマは「勝つこと」と試合内容よりも勝利にこだわる姿勢を示した。 シャドーボクシングとサンドバッグ打ちを各1ラウンド披露したユーリ阿久井は、合間に笑顔を見せるなど自然体を貫いた。 「非常に良い状態で練習を続けることができていて、このままいけば良い調子に持っていけると思います」 9月2日から帝拳ジムでの長期出稽古を実施中。WBO世界ライトフライ級1位の岩田翔吉（28）、WBA世界同級6位の高見亨介（22）＝ともに帝拳、元世界2階級制覇王者の京口紘人（30）＝ワタナベ＝らと週5日のスパーリングをこなし、合計で約100ラウンドを消化した。6日に岡山に帰り、最終の体重調整に務める。 東京都内で前日計量がある12日は、長女の千聖（ちさと）ちゃん（4）の初めての運動会が岡山県内であり、ユーリ阿久井は「見たかったんですけど。残念です」と肩を落とした。妻の夢さん（29）と2人のまな娘は試合当日に上京して応援に駆けつける予定だ。 環太平洋大（岡山市）を卒業後、警備会社に入社。世界初挑戦が決まった昨年9月から練習に専念するために休職していたが、今年7月に復職した。今年1月にエディオンアリーナ大阪第1競技場で、王者だったアルテム・ダラキアンに3－0の12回判定勝ちで世界王座を獲得し、5月に東京ドームで挑戦者の桑原拓（大橋）に3－0の12回判定勝ちして初防衛に成功した後の異例の復職については「岡山でボクシングだけやっていてもやることがない。練習のリズムを作るため。仕事をして、練習して、家に帰ってというリズムができるので」と説明した。警備会社では午前9時から午後5時まで、事務仕事を行っているという。 「テーマは勝つことだけですね。それ以上でも以下でもないんで。勝つことしか考えていないです。できればKOが良いですね」