節約のため、トイレを「大」のときも「小」で流しています。今のところ詰まってませんが、このまま続けて大丈夫でしょうか…?
毎日の生活にトイレは欠かせないものです。1日に何回も使うので、水道代などが気になる人も多いでしょう。少しでも水道代を節約しようと「小」でばかり流している人もいるかもしれません。 ただ実際に、「小」で流すことでどれくらいの水道代が節約になっているのか、「小」で流し続けて詰まる心配はないのかなど気になります。本記事では、トイレで流す際の「小」と「大」の水道代の差や、流し方の使い分け、詰まりの危険性などについて解説します。
「小」と「大」の水道代の差
トイレで用を足した後は、「小」や「大」のレバー(ボタン)を選択して流します。一般的に「小」で流した場合は約4リットル、「大」で流した場合は約5リットルの水を使用します。 水道1リットルあたりの単価を0.24円(下水道料金及び消費税を含む)とした場合、1回あたりの水道料は「小」は0.96円、「大」は1.2円となり、差は0.24円です。便器のメーカーや自治体ごとの水道代の単価によって若干異なりますが、「大」で流す場面で「小」を使ったとしても、節約できるのは1回あたり0.24円ということになります。 1日に小便を6回、大便を1回すると仮定しましょう。「小」で6回、「大」で1回流すと、1日にかかる水道料金は6.96円となります(0.96円×6回+1.2円×1回=6.96円)。このときにすべて「小」で流すと、水道料金は6.72円です(0.96円×7回=6.72円)。 1日に1回、「大」で流すべき場面で「小」を流したとしても、節約できる金額は0.24円ということになります(6.96円-6.72円=0.24円)。毎日それを続けたとしても年間で約88円です。節約の効果としては薄いといえるでしょう。
「小」と「大」の使い分けはトイレットペーパーの量
普段トイレで水を流す時、小便をしたら「小」、大便をしたら「大」という使い分けをしている人は多いことでしょう。しかし、この使い分けは厳密には誤りです。 小便や大便による使い分けではなく、「トイレットペーパー」の使用状況に応じて使い分けをするのが正しい使い方です。各メーカーの主な製品の「小」と「大」の使い分けは次のとおりです。 ・TOTO 「小」:小便時や少量のトイレットペーパーを流す場合。トイレットペーパーはシングル3メートルまで、ダブル1.5メートルまで。 「大」:大便やトイレットペーパーを流す場合。トイレットペーパーはシングル10メートルまで、ダブル5メートルまで。 ・LIXIL 「小」:トイレットペーパーの使用量が約2メートル以下の場合 「大」:トイレットペーパーの使用量が約2メートルを超える場合 ・Panasonic 「小」:男性が小便をした場合 「大」:大便をした場合及び女性が小便をした場合(=トイレットペーパーを使用した場合は必ず「大」を使用) 各メーカーそれぞれが、便器の使用状況に応じて適切な水の量を設定しています。この水の量が少ないと、便器が十分に洗浄できないだけではなく、トイレットペーパーや汚物が配管で詰まるなどの不具合が起こる可能性があります。 トイレの詰まりが起きた際の修理費は各業者によって異なりますが、相場は8000~1万5000円程度です。「小」で流すことでわずかに節約できたとしても、それが原因で詰まってしまうと、修理費の方が高くついてしまう可能性があるということです。