AIが牛の見守り 横向き続くと「おーい」 企業が死亡事故防ぐ新サービス
40分間超えると農家にメール
NTTテクノクロス(東京都港区)は、コールセンター事業などを展開するベルシステム24(東京都港区)と、牛の起立困難を防ぐサービス「BUJIDAS(ブジダス)」の提供を始めた。カメラが、牛舎内の牛の姿勢を常に監視。牛が、起立困難につながる危険な姿勢を続けていると、カメラから「おーい」と音声が流れ、姿勢を変えさせる。農家の見回りの手間を省く。 牛は、足を投げ出して寝ている横臥(おうが)の姿勢を続けると、気道が確保できず、餌の消化により体内で発生したガスをげっぷで排出することができなくなる。たまったガスで胃腸が圧迫された状態が長く続くと、死に至る可能性がある。 同サービスでは、人工知能(AI)による映像分析で牛が横臥の姿勢を20分間続けていることを検知すると、カメラから自動で音声を流す。初期設定では、2分おきに音声が流れ、40分間たっても牛の姿勢が変わらなければ、メールで知らせる。音声を流すタイミングや通知が届く時間の設定は、適宜変更することができる。牛舎内のカメラの映像も、スマートフォンなどに指定の無料のカメラのアプリをインストールすると、常に見られる。 「おーい」という音声は初期設定のものに加え、サービスを利用する農家が自分の声を録音して使うこともできる。ベルシステム24によると「声かけによって牛の起立困難を防ぐサービスは国内初」(広報室)という。牛にセンサーなどを付ける必要もなく、導入時の手間も少ないとする。 初めてサービスを利用する際は、登録料5万円が必要。その他、カメラ1台ごとに利用料金1万5000円などを支払う。
日本農業新聞