モルガン・スタンレー、14%増益-トレーディング収入が予想上回る
(ブルームバーグ): モルガン・スタンレーの1-3月(第1四半期)トレーディング収入は予想を上回った。ウェルスマネジメント部門の収入も予想以上となり、テッド・ピック新最高経営責任者(CEO)にとって良い滑り出しとなった。
トレーディング収入は53億3000万ドル(約8200億円)と、アナリスト予想を大幅に上回った。
ウェルスマネジメント部門の収益は68億8000万ドルで、こちらもアナリストの予想以上だった。同部門について投資家が注目している資産純流入額は950億ドルで、前2四半期の合計を超え、同行の成長目標を達成するために必要な額を上回った。
1月に就任したピックCEOは、前任者が築いた成長ペースを前進させ、自らが監督する投資銀行の業績を回復しつつウェルスマネジメント事業の拡大を加速させることが課題だ。資産運用事業は順調に成長しているが、経営陣は資本市場活動の復活を利用し、M&A(企業の合併・買収)助言やトレーディング、資本市場業務を増やしたい考えだ。
1-3月期の利益は34億ドル、収入は151億ドルだった。
ピックCEOは発表資料で「新規資産が強く伸びた結果、ウェルスマネジメントとインベストメントマネジメントの顧客資産は7兆ドルに達した」と明らかにした。
債券トレーディング収入は24億9000万ドルで、予想の23億3000万ドルを上回った。株式部門は28億4000万ドルだった。株式トレーディング収入は競合ゴールドマン・サックス・グループの33億1000万ドルに届かず、トップの座を奪われた。
助言手数料収入は4億6100万ドル、予想は5億1000万ドルだった。株式引き受け収入は4億3000万ドルに増加。株式上場と売り出しの復活が寄与した。
モルガン・スタンレーは助言手数料収入で主要ライバルに後れを取っているが、シャロン・イェシャヤ最高財務責任者(CFO)は最近発表された案件で同行の優位が示されたと強調した。