【旬のカツオ】初夏の《初ガツオ》と秋の《戻りガツオ》の違いは?味・栄養価を比較! 栄養士ライターが解説
カツオに含まれる注目の栄養成分とは?
初夏の訪れを告げる「カツオ」。「目には青葉 山ほととぎす 初鰹(はつがつお)」と江戸時代に俳句で詠まれたように、古くから日本で食べ親しまれてきました。この記事では、今が旬の魚・カツオの栄養について着目したいと思います。 【閲覧注意】お刺身に潜む白色の糸… これが「アニサキス」の幼虫です! ●血液をサラサラにするEPA、DHAが豊富 最初の栄養ポイントは、カツオの脂質です。特に注目したいのが、人間の体内ではほとんど作ることができない必須脂肪酸で“オメガ3系”として知られるEPA(イコサペンタエン酸またはエイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富であること。血液をサラサラにして血栓の形成を抑えたり、血中のコレステロールや中性脂肪を低下させたりする機能性が注目され、心筋梗塞や脳卒中を誘発する動脈硬化を予防する効果が期待されています。 ●丈夫な筋肉と血液をつくる栄養素が凝縮 たんぱく質が豊富で、必須アミノ酸をバランスよく備えているのも大きな利点。カツオ100g(刺身6~7切れ分)で、成人女性が1日に必要なたんぱく質の推奨量50gを補える計算に(※1)。また、カツオの赤い身や血合い部分に多く含まれる鉄は体に吸収されやすい動物性のヘム鉄。赤血球をつくったり傷ついた神経細胞を修復したりするビタミンB12も豊富で相乗効果が期待できます。 ●疲れを癒すビタミンB群や抗酸化ミネラルも カツオの血合い部分には、疲労回復を促すビタミンB1、たんぱく質の合成を助けるビタミンB2、糖質と脂質の代謝やアルコールの分解を助けるナイアシンなどのビタミンB群も豊富に含まれています。また、ミネラルの注目点は、抗酸化作用がありアンチエイジング効果が期待されているセレンの含有量が多いこと。体内の水分や塩分の調整を行うカリウムや骨や歯の材料となるカルシウム、リン、マグネシウムなどを摂ることもできます。
(※1)カツオ刺し身1切れ15gとして計算(参考文献:奥嶋佐知子監修『食品の栄養とカロリー事典 第3版』女子栄養出版部),2022、厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2020年版)』たんぱく質摂取基準・推奨量(女性18歳以上50g/日、男性18~64歳65g/日・65歳以上60g/日)から必要量を計算