元中日、阪神のパウエルが語るイチローの技。「イチローはクレージー」
当初「5年はやりたい」と26歳で海を渡って日本のプロ野球にキャリアを求めたパウエルは、結局7年間プレーした。その間、パイレーツなど3球団から声が掛かったが全て断り、日本での成功にこだわった。94年から3年間イチローと共に両リーグ首位打者になったことは、大きな勲章だ。共に首位打者を獲ってからは、キャンプで再会するとお互いにタイトル連取を誓い合った。当時からイチローには、頻繁にメジャーについて質問された。 「イチローは口にしなかったけど、ずっとメジャーに来る準備をしていたんじゃないかな。投手のレベルはどうか。日本の野球とは、どこがどう違うのか。よく聞いてきた。彼は常に学ぼうとしていた。イチローの存在は僕にとって励みになったし、彼も僕を多少なりとも意識してくれていたなら、凄く嬉しい。 なぜなら、いい選手というのは、他のいい選手を見て感化され、影響を受けて、更に成長するものだからだ。あれから20年以上が経ったのに、彼は今も素晴らしい選手としてプレーしているのは、クレージーな感じさえする(笑)。彼は3000安打を達成して、確実に殿堂入りすることだろう」 同時代に日本でプレーし、2010年には選手と打撃コーチで同じマリナーズに所属、今は敵対する球団に在籍するパウエルも、イチローの“Xデー”を心待ちにしている。