「女性活躍」と言いつつ、働き続けていないと不利な状況にモヤモヤ。こんなとき、どうする?
時短も、ブランクも、キャリアには関係ない! 本質的に働きやすさを支える取り組みを実行
そこで、働き方によって不平等が生まれないような取り組みを社内で実行。まず、チームでの懇親会は夜開催の飲み会ではなく、ランチの時間もしくはコアタイム終了後の16:00開始で実施し、全員が参加できるようにしました。 そのほか、原則出社のルールを、状況や職種に応じてリモートワークが可能な体制に変更したり、実際の稼働時間や稼働内容がフルタイムと同等であれば、フルタイム従業員としての給与支払いとしたり。 また、先ほど紹介した、ブランクがあるせいでなかなか採用してもらえなかった女性についても、その専門性を買って採用を決定。入社後はかなり成果を上げてくれたため、昇進・昇給を勧めました。結果的に、当社から転職する際にも引く手数多になったようです。
女性活躍のためには、画一的な評価基準ではなく、さまざまな観点で評価がなされるべき
皆が皆、フルタイムで仕事を続けられるわけではありません。だからこそ、働く条件が仕事のパフォーマンスや評価に影響を与えないように会社の環境を整えたわけですが、こういう取り組みによって誰もが働き方にとらわれることなく、キャリアアップできるようになればいいなと思います。 今、ほかの企業でも自由な働き方をサポートする制度を導入したり、女性を管理職に登用したりといった取り組みは行われていますが、人事評価の場に女性がいることはまだ少ないと思うんです。評価する人が男性であれば、必然的に評価基準は男性。男性から見て適任だと判断される女性のみにキャリアアップの道がある時点で、本当の意味で多様性が実現されているわけではありません。 最終的な意思決定の立場に多様な人材が混じれば、自然と評価の軸が増えます。そうすれば、ライフステージに変化が大きい女性でもキャリアを継続できるようになるはずです。 私自身も、結婚や病気、出産を機に働き方を変えていますが、仕事と家庭、どちらかをはっきりと優先するようにしているわけではありません。もちろん家族のために諦めることもないわけではありませんが、それまでのキャリアを活かして、楽しみながら、かつ自分がやることで意味がある仕事を探し、選択していこうと考えています。 ライフステージが変わっても、仕事を通して自己表現を続けていきたい。そして私だけでなく、誰もがそうなれるような社会を築いていきたいです。 そもそも私自身も、男性社会の中で昇進を重ねてきており、"名誉男性"のようになってしまっている部分は少なからずあると思います。本当の意味で皆が平等で、働きやすい職場づくりに必要なものは何か、これからも考え続けたいですね。
編集:F30プロジェクト イラストレーション:高橋由季