【毎日書評】話が魅力的に伝わる自然と「引用力」が身につく毎日の習慣とは?
「気にとめる」という習慣
引用を活用するためには、当然ながら「引用の引き出し」をつくることが大きな意味を持ちます。必要なときに必要なことばが出てくるように、多くの引き出しを用意しておくわけです。そこで大切なのが、「気にとめる」習慣を持つこと。「気にとめる」ことは、思いのほか情報収集に効果を発揮するものだというのです。 私たちの周囲には活字や音や映像など、さまざまな情報があふれています。そのため、それらと接した際には気になることばや情報が飛び出してくるかもしれません。しかし、普段から「気にとめる」「見る・聞く」という習慣を身につけていないと、それらはするっと流れていってしまうかもしれません。 隣を歩いていた友達が「このお店、さっきも支店があったよね」や「この飲料のポスター、さっき見たのと違う写真だね」といったときに、自分は気づかなかったという経験がある方もいることでしょう。たまたま他のものを見ていたのかもしれないし、何も意識していなかったのかもしれません。 何か目的があって探すわけではないときも、日々自分の琴線に触れる情報や言葉が集められるような感覚は、ぜひ研ぎ澄ませておきたいところです。(175ページより) 「気にすることを、気にしておく」だけで、いろいろなことばや情報が蓄積されていくということです。(174ページより)
テーマを持ってまわりの情報を見る
なにかを意識しはじめた途端、驚くほどそれにまつわる情報が入ってくるようになったりするものです。同時に頭のなかでもあれこれ考えることになるので、意識したもの同士がつながっていき、新しいアイデアが生まれてくるというような相乗効果も期待できそうです。 ところが、意識することをやめると、その対象は興味の範疇から外れてしまいます。そのため、目に入らなくなってしまう。正確にいえば、「目には入っていても“見てはいない状態”」になってしまうわけです。 自分が言葉や情報を集めようとしたときには、意識をして「見る」「聞く」ことが、とても大きな力を発揮するものです。 万有引力を発見したアイザック・ニュートンは、「どうして万有引力を発見することができたのか?」と聞かれたとき、「常にそれを考えることによってです」と答えたとされています。 レベルの違いはあっても、「気にとめるだけ」で、情報や言葉のほうから「ここにあるよ」と声掛けをしてくれるものなのです。(177ページより) もちろんそれは、引用することばにもあてはまるはず。常に周囲を意識していることで、無意識のうちに有用なことばや情報が蓄積され、それらが必要なとき頭に浮かんでくるようになるということです。(176ページより)